- マレーシア副首相杯参加記 -

 2014年9月15-20日にマレーシアのイポーで開催された第5回国際プンチャック・シラット マレーシア副首相杯に初めて参加しました。

第5回国際プンチャック・シラット マレーシア副首相杯概要
 (1)大会について
 (2)大会参加国
 (3)大会日程
 (4)競技種目
 (5)競技結果

大会こぼれ話・裏話
 9月14日(日):深夜便
 9月15日(月):到着&大会初日
 9月16日(火):大会2日目
 9月17日(水):日本選手登場
 9月18日(木):日本選手再び登場
 9月19日(金):決勝に向けて
 9月20日(土):大会最終日&大移動
 9月21日(日):大遅延

第5回国際プンチャック・シラット マレーシア副首相杯(15~20th Sep. 2014)概要

第5回国際プンチャック・シラット マレーシア副首相杯について

 以前からお誘いはいただいていた、マレーシア副首相杯に初参加です。国内の大学クラブと国際チーム、さらにジュニア部門が開催されます。参加枠が広いため、試合部門の全階級が実施されるわけではありません。また、演武部門にはPERSILAT規定の3種目に加え、マレーシア独自の「ソロ・クリエイティブ」という種目があります。なお通常の大会と違い、この大会は初回からショッピングモールのホールに特設試合場を設置して行われています。どうやら、マレーシアの地元企業MYDIN(日本で言うところのイオン?)がスポンサーに入っているようです。また、主催者は同じですが、開催地は毎年変更になっています。言うなれば持ち回りですかね。ちなみに主催者が作成した本大会のFBページはコチラ

会場となるモール正面玄関
会場

大会参加チーム

 マレーシア国内大学クラブ:37大学120名
  *マレーシアの学制に詳しくないのでUniversitas、Politeknik、Kolejなどの違いがわからず詳細不明

 国際チーム:21チーム30名
  <内訳>マレーシアA代表、マレーシアB代表、ジャカルタ特別州(INA)、KPSヌサンタラ(INA)、タンゲラン地区(INA)、パスンダン・チマヒ大学(INA)、ホーチミン警察(VTM)、ハノイ軍(VTM)、シンガポール、KPSヌサンタラ(THI)、ブルネイ・ダルサラーム大学(BRU)、イスラム・スルタン・シャリフ・アリ大学(BRU)、バングラディシュ、韓国、インド、ナイジェリア、フィリピン、ウズベキスタン、イエメン、オーストラリア、日本 以上、事前登録情報による
 
 *国際チームのうち、ホーチミン警察、ブルネイ大学のどちらか、バングラディシュは試合部門への事前登録のみで実際には不参加。ただし、バングラディシュは演武部門には参加。韓国は演武部門にのみエントリー&参加。ナイジェリア・バングラディシュ・イエメンの3か国はマレーシア在住者(留学生)。
 
 ジュニアチーム:10チーム42名 *国内地域チーム及び国際チーム

大会日程

 通常は選手登録の後に行われる組合せ抽選は、時間節約のためか、事前に代理によって既に行われています。当初の参加予定選手数を元に組まれた試合は506。実際には印象として、506しあいのうち15~20%程度は国際組の不参加や体重規定失格などで行われませんでした。  
 基本的なスケジュールは 9:00-13:30、14:30-17:30、20:30-22:30 の3部構成。

日付 イベント
15(月) 選手登録
テクニカルミーティング
国内大学戦 予選
16(火) 国内大学戦 1回戦
国内大学戦 1回戦
国際戦 演武部門
17(水) 国内大学戦 演武部門
演武部門表彰式
国際戦 1回戦
18(木) 国際戦&国内大学戦 2回戦
19(金) 国際戦&国内大学戦 準々決勝&準決勝
20(土) 決勝
表彰式

競技種目

 1回戦286試合に始まり、最終的に決勝は30試合の計506試合。これに加えて演武部門もあります。国内組のソロ演武(Tunggal)なんて女子は19人もエントリーしてました。男子も2ケタいっていたはずです。
 *日本選手は男子Dクラスに2名が参加

国内大学&国際戦
 
 1.男子試合部門(Tanding)
  Bクラス - 50kg以上55kg未満
  Dクラス - 60kg以上65kg未満
  Fクラス - 70kg以上75kg未満
  Hクラス - 80kg以上85kg未満
  Jクラス - 90kg以上95kg未満
 
 2.女子試合部門(Tanding)
  Bクラス - 50kg以上55kg未満
  Dクラス - 60kg以上65kg未満
  Eクラス - 65kg以上70kg未満
 
 3.男子演武部門(Seni)
  ソロ(Tunggal)
  ペア(Ganda)
  チーム(Regu)
  ソロ・クリエイティブ(マレーシア独自種目)
 
 4.女子演武部門(Seni)
  ソロ(Tunggal)
  ペア(Ganda)
  チーム(Regu)
  ソロ・クリエイティブ(マレーシア独自種目)

ジュニア戦
 
 1.男子試合部門(Tanding)
  Aクラス - 39kg以上43kg未満
  Cクラス - 47kg以上51kg未満
  Eクラス - 55kg以上59kg未満
 
 2.女子試合部門(Tanding)
  Aクラス - 39kg以上43kg未満
  Cクラス - 47kg以上51kg未満
  Eクラス - 55kg以上59kg未満

競技結果

 国際組の決勝戦は以下のとおり。勝敗結果と演武部門の結果はメモを取るの忘れました…最終的に国際組の最多金メダル獲得国はジャカルタ特別州だったので、このチームが演武部門でかなりの金メダルを獲得したはずです。演武での金メダルが総数を底上げするのは、どの大会でも一緒。

部門 種目 結果
男子試合 Bクラス ジャカルタ特別州 vs KPSヌサンタラ
Dクラス マレーシアA vs ジャカルタ特別州
Fクラス シンガポール vs マレーシアA
Hクラス シンガポール vs KPSヌサンタラ
Jクラス KPSヌサンタラ vs ナイジェリア
女子試合
Bクラス シンガポール vs ハノイ軍
Dクラス シンガポール vs ジャカルタ特別州
Eクラス ジャカルタ特別州 vs マレーシアA
男子演武 Tunggal 韓国、ホーチミン警察(棄権)、シンガポール、ジャカルタ特別州、KPSヌサンタラ、タンゲラン地区、マレーシアA、パスンダン・チマヒ大学、バングラデシュ *韓国とバングラディシュは失格
Ganda マレーシアB、ジャカルタ特別州、マレーシアA、ホーチミン警察(棄権)、パスンダン・チマヒ大学
Regu マレーシアA、ジャカルタ特別州、ホーチミン警察(棄権)、マレーシアB、パスンダン・チマヒ大学
ソロ・クリエイテイブ パスンダン・チマヒ大学、マレーシアA、バングラディシュA、バングラディシュB(棄権)
女子演武
Tunggal ジャカルタ特別州、KPSヌサンタラ・タイ、シンガポール、マレーシアA、ホーチミン警察(棄権)
Ganda ホーチミン警察(棄権)、マレーシアA
Regu ホーチミン警察(棄権)、マレーシアA、ジャカルタ特別州、シンガポール
ソロ・クリエイテイブ マレーシアA

大会こぼれ話・裏話

 かーなーり!久しぶりに選手の居る大会参加です。

9月14日(日):深夜便

 エアアジアでの渡航なので、深夜便です。日付が変わる頃の出発なので、出発日の昼間を有意義に使えていいですね。

月がすごかった
月

9月15日(月):到着&大会初日

 飛行機ではただひたすらに寝て、起きたらKL到着です。新しくなったLCC用ターミナルKLIA2は初めてでしたが、以前の空港に比べて格段に良くなってます。でも、飛行機を降りてからイミグレまでただひたすらに歩かされたのには参った…空港の規模が大きくなったためか、15分くらいは歩いたと思います。LCC用ということで電力利用を抑えているのでしょう、動く歩道もないので、本当にただひたすらにテクテクと歩くだけ。
 さて、荷物を受け取って選手2名と外に出ると、迎えらしき人が見当たりません。まあ、予定より少し早く到着していますから、まだ来ていないのかも?とりあえずは携帯を現地化し、直接連絡を取れる状態にしなければ。19RMで1週間BBが使えるようになりました。ビバ、SIMフリー。ありがとうネット電波。で、迎え予定の人に電話してみると・・・到着時間の午前と午後を勘違いしていたことが判明しました。うーん、午前6時って言ったはずなんだけどなぁ。幸い、ここはマレーシア。英語とマレー語が通じるインフラも整った、可処分所得が日本と大差のない国です。大会開催地のIpohまで高速バスで行くことになりました。目的地のバスターミナルに迎えに来てくれるそうです。ちなみにバスは3列(2+1)シートのエアコン完備車で44RMでした。
 それにしても、最近は迎えとちゃんと会えないことが多いなぁ…携帯で連絡が取れると思って、なんかいろいろとツメが甘くなってるのかしら。

 6時台に空港に到着し、腹ごしらえをしてから8時台のバスに乗り、Ipohに着いたのは12時くらい。と、遠いわぁ…高速バスターミナルで日本チームのLOと無事に合流し、宿舎となってるホテルまで連れて行ってもらいました。チェックインを済ませて選手は部屋へ、cizmaはそのまま審判会合へ直行です。

 今大会に参加しているマレーシア国外からの審判はシンガポール(2)、ベトナム(1)、タイ(1)、インド(1)、日本(1)の6名。さらにマレーシアの各地から2,3名ずつの審判が参加し、審判部の2名を加えて総勢38名。アリーナは2つ用意されていますから審判を2組に分け、1つのアリーナに1名の競技委員長、2名の審判委員、15名の審判(うち3名は国際組)が配置されました。1試合に必要な人員は6名ですから、そうキツキツな人数ではありません。とはいえ、地元の審判は体重測定等の監視役に回らないといけませんし、なによりも1つのアリーナで消化しなければいけない試合が253試合。時間短縮のため、通常は1試合ごとにレフェリーと採点審判を入れ替えるところを、3,4試合ごとにチーム交代とすることがアナウンスされました。また、時短のために準決勝までは、選手が試合前に披露しなければいけない”型”を行わないことにもなりました。また、規則上は1ラウンド2分ですが、こちらも準決勝までは1ラウンド1分30秒で実施されることに。こうすることで、1試合にかかる時間が一般的に15分程度のところを10分くらいには縮めることができるはずです。

 審判会合の後、チームのためのブリーフィングが開催されます。チームマネージャーの居ない今大会の日本チームは、選手自身が参加しなければなりません。後から合流してみると、驚愕の資料が渡されていました。要はルール等の概略説明なのですが、気を使って日本語にしてくれたのはいいものの・・・Google先生はいい仕事をしてくれます。全く言ってる意味がわかりませんw 日本語の体裁だけは整えているので、実は全く意味不明であることを脳が認識するのに時間がかかり、本当に読みづらい。一番ウケたのは、選手のことを「戦闘機」と書いていたことでしょうか。なぜ人間が飛行機になってしまうんだ…
 読み進めるうちに、理由に思い当りました。恐らく日本語の元原稿となっているマレー語から英語への変換で、選手をplayerではなくfighterとしたのが原因でしょう。機械翻訳はまだまだ文脈を読むレベルまでは進化していないのだな、と実感しました。

 夕方には早速、開会式といくつかの試合が行われます。

アリーナは2つ、でも隣が近い
隣

 初日からレフェリー任務を頂戴し…玉砕。久しぶりだわ、ギャラリーは多いわで心臓バクバク、最悪のjatuhanの取り違えをやらかしました。幸い、競技委員長がきちんと試合を監視してくれる人だったので、すぐに訂正できたものの凹む〜。

 予定の試合を全て消化し、終了したのは22時半くらい。こんな時間なのにご飯を食べよう、という誘いを丁重に辞退し、会場から徒歩5分のホテルに戻ったのは23時くらいでした。明日は9時スタートです。

9月16日(火):大会2日目

 大会2日目は、午前・午後の部は国内大学組の試合、夜の部は国際組の演武が実施されます。日本選手を含む国際組の試合は3日目の午後からに予定されています。
 さて、審判会合で新規則の厳格適用がアナウンスされたため、日本選手の試合までに道着を手に入れなければなりません。新規則とは、袖の長さ及び裾の長さは手首足首から前後1センチ、というもの。これは主に短い袖・裾を好む某王国のムエタイベース選手を想定して規定されています。しかし、今大会に参加する日本選手は手足の長い現代っ子で、インドネシア規格のMサイズだと身長にはちょうどよくとも、袖がこの新規則に明らかに違反しています。遠路はるばるやってきて、服装規定で失格なんて笑い話にもなりません。
 現地マレーシアの審判の協力で大会を中座し、身長170センチ用(ML)と180センチ用(L)を購入することができました。試着した状態を他の審判に確認してもらったところ、180センチ用でOKが出ました。どんだけ腕が長いんだ(苦笑)

 1時間半ほど中座したものの、午前と午後で3回レフェリー業務をこなしました。反省点は多々ありますが、きちんとアリーナをコントロールしてくれる競技委員長の指導のもと、昨夜のような大ポカをすることなく、なんとかかんとか。

総合測定機。前を通るたびに「welcome」とセンサーが反応
診断機

 夜の部は国際組の演武部門です。Tunggalはお役御免、ReguとGandaの採点に入りました。外から見たTunggalで一番印象に残ったのはバングラディシュからの選手です。
 正確に言えば、マレーシア留学中のバングラディシュ人が参加していたのですが・・どうもほんの数日で規定型を叩きこまれたらしく・・・まさかの方向間違いと順番取り違え。規定型ですから、順番を取り違えた時点で失格です。それでも、とにもかくにも全てをやりきった彼に会場から惜しみない拍手が送られました。記録に残らず記憶に残る、とはこういうことを言うのでしょうね。
 残念だったのは、演武順に記載されていたベトナムのホーチミンチームが全てを棄権したこと。ベトナムのキレッキレの演武が観たかったのですが。どうも、チーム参加費の支払を拒否し参加資格を失ったそうです。何があったホーチミン・・・チーム参加費を必要経費に計上するのを忘れて来訪してしまったのでしょうか。もったいないわー

 マレーシアで行われる演武には、独自種目のソロ・クリエイティブというものがあります。これは一人で自由演武を音楽に乗せて披露する競技です。マレーシア独自種目なので採点基準や方法はわかりませんが、なかなか見応えがあります。将来的にPERSILAT(世界プンチャック・シラット連盟)の競技種目として採用される日がくるのでしょうか?
 どんなものか興味のある方、こちらに動画を一つUPしましたのでどうぞ。

9月17日(水):日本選手登場

マレーシアのお楽しみ、牛ベーコン
牛ベーコン

 今日の午前の部は国内大学組の演武です。Tunggalには19名、Reguには13組が出場します(採点を担当しなかったので、Gandaの出場組数不明)。ルールに則れば7名以上が出場する部門は予選を行わなければなりません。がしかし、時間短縮のために予選と本選に分けることなく、この人数をぶっ通しで採点します。
 Tunggal19名のうち3名は出場取止め(辞退?)したので、結局採点したのは16名です。それでも正直、疲れました。そして16名もいるといろんなことがあるもので・・・まず、衣装のコンセプトが被る。豹柄が3人もいた。衣装の付け忘れっていうのも初めて見ました。女子選手だったのでジルバブはしてましたが、本来であれば、その上に頭飾りをつけないといけないんですけどね・・・忘れたようです。3分の演技時間に合わせるために無理に溜めを使う選手も多数いました。あんなに時間合わせのための溜めを作っては、技の理解度ゼロ、と判断しますよ?

 さて、午後からは再び試合部門、今日は国際組の試合。午後の第一、第二試合共に不戦勝決定の試合です。日本選手が登場する第三試合は、実質、午後のトップバッター。対戦相手は、インドネシアのジャカルタ特別州の選手。くじ運がいいんだか悪いんだか。勉強するには最適の相手ではありますが、勝つのは厳しい。

対戦相手はインドネシア
対インドネシア

 結果は負けてしまいましたが、初めての試合、相手がインドネシアだったことを考えれば、期待以上の出来でした。 点数が取れても空手をしてるようにしか見えない選手より、今の段階では点が取れなくてもシラットらしい動きができる選手の方が、将来に期待できます。
 それにしても、自国の選手の試合を審判席から落ち着いてみるというのは、なかなか難しいものです。声をかけたくなるけれど、ぐっと我慢・・・採点していなくても審判の服を着用し審判待機所にいる以上は、試合中のどちらの選手に肩入れをしてもいけないのです。

 日本選手の試合が終わった後の午後と夜の部は、cizma的には淡々と進んでいきました。採点して、レフェリーもして、交代で休憩して…そして今日も終わりは22時過ぎ。

9月18日(木):日本選手再び登場

早朝、野犬の多さにビビる
野犬

 今日の午前中に再び日本選手が登場します。対戦相手はまたもやインドネシア。組合せ抽選はチームが到着する前に運営によって行われているのですが、同じチームから複数選手がエントリーしていても考慮されていないようです。昨日の日本選手は1回戦で対インドネシア戦でした。今日の日本選手は1回戦免除の2回戦から参加という枠を引き当てていますが、対戦相手は日本対インドネシア戦の勝者だったのです。これ、日本選手が勝ってたらはるばるマレーシアまで来て、普段の練習相手と試合をするという笑えないコントになるところでした。

 さて、日本選手の試合ですが・・・実施種目が制限されているため、本来の階級ではない体重で戦わざるを得なかったことを考えれば、よくやりました。でも実質5キロ近い体重差があると、やっぱり軽いんですね。同一階級なら大体、上限いっぱいのところに選手の山ができますが、下の階級からなんとか入り込むと対戦相手と大きな体重差ができてしまいます。
 このハンデはいかんともしづらい。それでも、今後に期待できる3ラウンドを怪我なく終えました。

 この日は合間に少し空き時間が取れたので、会場となっているモールのテナントを見て回りました。食べ物にはハラールマーク、品質の悪くないムスリマ服やグッズ、おいしそうなスナック、と物欲を刺激するものがかなりありました。惜しむらくは、趣味に合わないこと。特にムスリマ服。夏用長袖デザインは日本だと手に入りづらいので、南国で買うに限るんですけどね。インドネシアの服は安かろう悪かろう、質のいいものはかなりのお値段、しかもその金額を払っても耐久性に難あり。マレーシアは値段と質に納得できるものの、柄が…デザインが…うまくいかないものです。

9月19日(金):決勝に向けて

 本日は金曜礼拝の日です。そのため、午前の部をいつもより早めに終えるべく、通常は9時開始のところを昨夜、8時半開始とアナウンスされていました。このアナウンスを受けて、審判も運営も選手も8時半に開始できるようにスタンバイしていました。が始まらない。始められない。なぜなら、医療班が来ていないから!どうも、医療班に「今日は8時半から」との伝達がいっていなかったようです。それとも服務規程上、業務時間は9時からに決まっていたのかな?いずれにせよ、8時半ではなく医療班の到着を待っての試合開始となり、9時ちょっと前に試合開始のゴングが鳴りました。

まるでオタ芸?な応援団

 今日の試合の一番の目玉は、ジャカルタ特別州の選手を破った、ナイジェリア選手でしょう。さすがにナイジェリアからの参加者ではなく、マレーシア在住のナイジェリア人ですが。マレーシア留学を通してシラットを学び、そのまま在住者となって練習を積んでいる、と聞きました。やっぱり強くなるには練習環境も大事ですね。

 もう一つ印象に残ったのは、採点に入ったシンガポール対ジャカルタ特別州の女子戦。シンガポール選手はお馴染みの顔で、やる気なさそうに試合をする子。しかもシンガポールは戦術として、体力がバテた時とかラインを越えそうな時(ライン越えは減点対象)、あとは追い詰められた時にサプワンに逃げる傾向があります。それにあのバテ方はレフェリーによってはカウントを取るレベル。そこへきて何回か予期せぬ減点をジャカルタ特別州側が取られました。これで勝ちが消え、どこかブチ切れたようです。
 失敗したサプワンには1秒以内に反撃することが認められています。ただし、体重をかけない&攻撃エリアは限定的(当然頭部は除外)です。シンガポールの明らかな逃げのサプワンに対し、ジャカルタ特別州が頭踏んづけましたよ。避けた足を着地させるときにうっかり、を装ってましたが、あれは絶対わざとだw どんな大会でも一回くらいは意趣返しの場面に遭遇してしまうのは、シラットだけの現象なのかどうなのか。

9月20日(土):大会最終日&大移動

 昨日までで予定の試合は無事に終わり、今日は予定通り全試合決勝。1つのアリーナで15試合、ただしうち1試合は閉会式会場に場所を移してのVIP試合です。
 でも午前の部から後半にはVIPが来訪し、会場で試合観戦を始めました。それにしても、あのVIPが誰だったのか未だによくわかってません。スルタンの血縁でどうたらこうたら、と言ってましたが、マレーシアの歴史も政治制度もほとんど知らないので、不明。自分も格闘技をする人だ、ということはわかりました。実際、女性にしては背も高く、ごつかったです。ほとんどずっとサングラスをかけてたので、顔はよくわからなかったなぁ。

国内大学組女子決勝の一コマ
女子決勝

クロージング用試合会場
VIP試合会場

 実は、午前の部が終わった時点で全部終了したと勘違いしていました。昼食を食べたら、IpohからMalekaに移動するつもりだったのです。それが審判仲間とご飯を食べ、話しているとどうもまだ終わってない。14時からVIP試合がある、と。14時に集合と言っていたのは、閉会式(だけ)のためではなく、試合があったのか!醍醐さん。じゃない、大誤算。
 結局、Ipohを出たのは16時頃になってしまいました。2時間のロスと雨のため、Malekaについたのは23時。7時間の道のりでした…遠かった。

 何をしにこんな長距離移動をしたかと言えば、ちょうど20,21日の2日間にシンガポール在住の兄弟子がここでワークショップを開いていたからです。兄弟子に会いに7時間。これ、普通に日本からシンガポールまで飛行機に乗って会いに行くのと大差ない・・・
 しかも到着が23時ではワークショップの大部分に参加できません。夜のお稽古にちょっとだけ参加し、睡眠3時間で翌日を迎えます。

9月21日(日):大遅延

 寝不足ですが、ワークショップの朝の部に少しだけ参加できました。本当、何しに来たのかってくらいの滞在時間。私自身は兄弟子に会うのが第一目的でしたし、短い滞在時間ながらも収穫があったので、7時間の道のりは無駄ではありませんでした。でも、この大移動と睡眠不足に付き合わされた選手2名には、いい迷惑だったかも。パワハラじゃなかったことを願うw

 MalekaからKLIA2まではタクシーで2時間ほど。タクシーと言っていたけれど、あれは一般的に言うところの白タクだったのではなかろうか(屋根飾りなし、メーターなし)。最後のお金を払う段になって、手配をしてくれたマレーシア人が言っていた以上の金額だったらどうしよう、と不安になりました。それが予想に反して、想定金額(160RM)より若干安かった(150RM)。ということはあれは白タクではなく、マレーシアにはそういうシステム(?)があるということなんでしょうか・・・わからん。

 さて、あとは飛行機で寝て帰るだけと思っていたら、まさかの2時間遅延が判明します。2時間遅れていることがもう少し早めにわかってたら、あと1時間は練習に参加できました。2時間をKLIA2で潰すことは難しくありませんが、問題は到着後。羽田が24時間でも公共交通機関が24時間ではないので、帰れないですよ。

活気あるKLIA2
KLIA2

 こういう時、電波=携帯がある、というのはすごく便利です。 電車で迎えに来ると言っていた海路郎さんに連絡を取り、車を借りてもらいました。エアアジアは1時間遅れるだけで公共交通機関を使って都心に戻ることができません。それが2時間とは・・・技術的問題って一体なんだったんだろう。

 2時間の待ち時間を潰したKLIA2で面白いレストランを見つけました。シンガポール発のハラール日本食レストランRAMEN TENです。ラーメンをメインにお寿司とかがありました。話のタネに入ってみようかと思ったのですが・・・値段設定が食事内容に比較して高く感じられたのと、どうにもメニューがネタの域を出ずに食指が動きませんでした。ザリガニがのってるラーメンとか、別に食べたくない…FCで北アフリカや中東地域にも進出しているようです。日本に上陸する日もくるかしら?

 遅延したおかげで、自宅についたのは日付も変わった22日。少し休んで、起きたら仕事に行かなくてはなりません。結局、この数日の睡眠不足が祟り、風邪を引きましたw