- パリ・オープン大会奮戦記-

 2009年3月14、15日に仏パリで開催された第3回プンチャック・シラット 国際オープン大会 in パリ(IPO2009)に参加してきました。前回は審判での単独参加でしたが、今回は男女各1名計2名の選手とフランス語堪能なチームマネージャー1名と日本からは4名の参加です。

第3回プンチャック・シラット 国際オープン大会 in パリ概要
 (1)大会について
 (2)大会参加国
 (3)大会日程
 (4)競技種目
 (5)競技結果

大会こぼれ話・裏話
 3月12日(木):移動日
 3月13日(金):観光
 3月14日(土):大会初日
 3月15日(日):大会二日目そして夜の観光
 3月16日(月):移動日
 3月17日(火):帰国

第3回プンチャック・シラット 国際オープン大会 in パリ(14~15th Mar. 2009)概要

第3回プンチャック・シラット 国際オープン大会 in パリについて

 直前まで開催が危ぶまれましたが、なんとか開催にこぎつけた勘のある第3回フランス国際オープン大会。2009年に欧州で開催される唯一の国際大会、そして日本選手が参加できる唯一の国際大会でもあります。
 事前にアナウンスされていたより実際の参加国数と選手は減りましたが、それでも相当数の選手が参加。しかしなぜか回を重ねる毎に運営はグダグダになっている・・・(苦笑)

 会場は過去2回と変わり、地域のスポーツ施設内、Gymnase Charletyでした。敷地内にはテニスコートやサッカー場など相当立派な施設です。滞在先は会場まで300メートルほどのIBISホテル。滞在客の8割方が日本人でございました。

ホテルから近い入口、実は施設の裏側
会場外観

大会参加国 (全10ヶ国)

 ヨーロッパ諸国(5) : フランス、オランダ、ベルギー、オーストリア、イギリス
 東南アジア諸国(3) : シンガポール、マレーシア、ベトナム
 その他(2) :アゼルバイジャン、日本
 
 *上記以外にインドネシア・インド・スリナムが参加を予定していたが、直前にキャンセルした様子。

大会日程

 なぜか回を重ねる毎にグダグダが増している運営力。今回は特に、運営側人数に比べて参加人数が多すぎたのも原因かしら。それにしても、審判が試合日程の組み立てにまで参加してるのを初めて見た。通常、こういう書類や日程関係は運営側の人間だけでできるものなんだけどなぁ。

日付 イベント
14(土) 選手登録・組み合わせ抽選
試合部門予選&準々決勝&準決勝
15(日) 試合部門準決勝・決勝
表彰式

競技種目

 ヨーロッパで開催される大会は軽量級が居ないことが多いのですが、今回は東南アジアからの参加があったため、最軽量のAクラスからちゃんとありました。でも男子Aは1人しかエントリーが居なくてBクラスに回されてました・・・気の毒。今回は演武部門の競技はなし。

 参加選手は男女合わせて88名。オープン大会なのでマレーシアは「国代表」「Aクラス(代表予備軍)」「州代表」と3チーム送り込んできてました。ベトナムは「警察官」チーム。日本からは男子Dクラスと女子Bクラスに参戦。

 
 1.男子試合部門(Tanding)
  Bクラス - 50kg以上55kg未満
  Cクラス - 55kg以上60kg未満
  Dクラス - 60kg以上65kg未満
  Eクラス - 65kg以上70kg未満
  Fクラス - 70kg以上75kg未満
  Gクラス - 75kg以上80kg未満
  Hクラス - 80kg以上85kg未満
  Iクラス - 85kg以上90kg未満
  Open - 95kg以上
 
 2.女子試合部門(Tanding)
  Aクラス - 45kg以上50kg未満
  Bクラス - 50kg以上55kg未満
  Cクラス - 55kg以上60kg未満
  Dクラス - 60kg以上65kg未満
  Eクラス - 65kg以上70kg未満
  Fクラス - 70kg以上75kg未満
  Open - 75kg以上

競技結果

 最多メダル獲得国はマレーシア、3チームも送り込んでれば当然。男性MVPは2007年の世界大会でもMVPを獲得したマレーシアのDクラス選手、女性MVPはベトナムのAクラス選手でした。

大会こぼれ話・裏話 & パリ観光記

 1日ちょっとのパリ観光と大会とかをまあ、ぼちぼちと。

3月12日(木):移動日

 10年以上ぶりに直行便での欧州行きです。エア・フランスなんぞを使ってみます。エア・フランスに乗るのは初めてw 当然のごとく、事前にネットチェックインを済ませての成田集合となりました。ネットでのチェックインに慣れてしまうと、あの列に並ぶ気力体力がもう湧いてきません・・・

 機内預託荷物を預け、空いた時間に新オープンの和カフェCHASINでお茶。なんと、メンバーの事前調査の賜物で、ネットチェックインした人(だったかな?)へのサービスで無料のコーヒーorお茶をいただきました。このカフェ、「made in japan」をコンセプトにしているらしく、ちょっとお高いですがセンスのいいお土産を揃えてます。カフェエリアもちょっとしたショールームのよう。

CHASINからの眺め
CHASIN

 エアフランスはムスリムミールが予想外の大ヒット。カレーとか北アフリカ系の料理とか出てくるのかと思ったら、普通の料理が豚抜きでウマ。機内食は完食できないことが多いのですが、珍しく全部食べました!さすが美食の国フランス。

 料理は良かったんですけどねー・・・機内グッズがイマイチだったかな。エコノミーに配られたのはアイマスク・耳栓・イヤホンでどれもお持ち帰りok。イヤホンは2つ穴用だけど、差込プラグを一本倒して通常の機械でも使える、技あり仕様になっています。がしかし。問題は、このイヤホンは耳に引っ掛けるタイプだってこと。スカーフ巻いてるヒジャーブさんには使えないっス・・・無念。たまたま入れていたイヤホンを差込口に差してみたら、モノラルサウンドだけど使えたからいいようなものの、ヨーロッパまで12時間、音なし(=映画見られない、音楽聴けない)では暇つぶしがなにもない! エアフランスに乗るヒジャーブさんは是非、マイイヤホンを持ち込むことをお勧めします。

耳かけタイプのイヤホン
イヤホン

 寝たり起きたりを繰り返し、気付けばやっとこスカンジナビア半島上空。長いフライトもなんとか終わり、無事にシャルル・ドゴールに到着しました。初めての北回りでパリ入りしたので、第2ターミナルへの到着です。第1ターミナルより新しくてキレイだったけど、なんかいろいろと素っ気ない印象です。新しいのでトイレの手洗い場はなんと自動で水が出るタイプ。まさか海外でお目にかかると思ってないから、説明図を見もしないで石鹸の方を押してしまいました・・・なんか前回も同じ間違えをやったようなonz

センサーで水が出る
センサーで水

 予定時間より早く着陸したため、当然のごとくお迎えの人とはすぐに会えません。当初到着予定時刻まで両替したり、写真撮ったりして過ごしていましたが、時間を過ぎてもそれらしい人がなかなか現れず・・・こういう時、携帯は便利です。大会事務局に電話をすると、「迎えの人間と連絡を取るから、そこを動かないでね。」と言われました。これでお迎えの人とすれ違ってしまうことはなさそうで一安心。しばらくすると大会のポスターを持った人と会うことができました。フランス語オンリーなおじさんで意思疎通は難しかったのですが、とにかく会えてよかった。平日の夕方で帰宅ラッシュに巻き込まれつつ、無事にホテル到着。長い1日もやっと終わり。

3月13日(金):観光

 今日は滞在中唯一のフリータイム。初海外と初パリのメンバーのリクエストに沿って、1日「ザ・パリ!」を満喫します。朝食からしてまず「oh!パリ」ムード。ホテルの味気ない朝食ではなく、カフェでクロワッサンとカフェ・オレですよ。入ったカフェではパン類は置いておらず、道を挟んだ向かい側のパン屋で買って持ち込みます。カフェ・オレとクロワッサンで〆て3ユーロほど。

カフェでカフェ・オレ
カフェ

 腹ごしらえをしたところで、最初の目的地エッフェル塔へ。まずはRERで市内に出て、そこから観光を兼ねてバスに乗り込みます。バスからはいくつか観光名所が見えましたが、一番の大物はモンパルナスタワーかな?雰囲気的に浜松町でしたけどね。東京のビル群を見慣れているとイマイチ古ぼけて見えてしまいます。

モンパルナスタワー
モンパルナスタワー

 バスに揺られること15分、お目当てのエッフェル塔が見えてきました。今までは地下鉄で来ていたので、逆方向から近づくのがなんか新鮮。映画なんかではこちらからのアングルが多いような気がします。

エッフェル塔
エッフェル塔

 入場口は予想以上の大行列。それでも、選手2名はトレーニングも兼ねて(?)階段で2Fまで行くと張り切って行ってしまいました。実際、エレベーターの入場券売り場より徒歩(階段)入場券売り場の方が列、短いんですよね。でもそこまでのエネルギーと興味が湧かない年長組は、彼らが登っている間カフェで一服。

行列の短い階段入場口
エッフェル塔入り口

近くの道にはエッフェルさんの名前
エッフェル通り

 エッフェル塔のミニチュアは公式お土産ショップでも買えますが、周辺でも出所の怪しいミニチュアを売ってます。公式には13ユーロのものが5ユーロだったり、と怪しさ満載ですが、お得はお得。但し、売る方は取締りを警戒しているため、完全な移動販売です。大きな輪に大量のエッフェル塔がぶら下がっているのはまるで密教道具のようでした。道端に広げている人も、さっとその風呂敷をたたんで逃げ出せるように、風呂敷に細工をしています。サバイバルですね。

リュックを背負ってるのが売り子さん
移動お土産売り

 次の目的地はエッフェル塔と並ぶパリの代名詞、凱旋門とシャンゼリゼ通り。それにしても、平日にもかかわらず人の多いこと。一年中観光客が絶えることはないんでしょうね。夏のハイシーズンなんて、どんだけの混雑なんだろう。

横断歩道から凱旋門・シャンゼリゼ通り・ヴィトン本店
凱旋門・シャンゼリゼ通り

 シャンゼリゼにはトヨタのショールームやトルコ政府観光局なんかもありました。シャンゼリゼに面してお昼を食べると無駄に2,3割増しなので、横道に入って店を探します。よさ気なお店を発見し、サンドイッチで満腹になった後、再びバスで移動です。目指すはオルセー美術館。

オルセー美術館とバトビュス船
オルセー美術館

 ここからは一旦メンバーと別行動としました。初パリ組はサント・シャペルとルーヴル美術館へ、cizmaはモスクのハマムに挑戦なのです!途中、駐車禁止エリアで車がレッカー移動されてるのを目撃しましたが・・・あんな移動方法初めて見た。欧州ではあれが基本なのかな?いやでも写真撮ってる白人系観光客居たから、やっぱり珍しい移動法?

駐禁エリア、レッカー移動中
レッカー移動中

 前回来た時は準備も何もしていなくて、飛び込みで入れる雰囲気ではなかったので断念したハマム。今回は下調べをして準備万端でドアを開けました。まーいろいろと誤算はあったのですけどね、行ってよかったです。

 行った人のブログなんかを読むと必要なのはタオルと水着。水着は持ってないのでサルンを持参しました。料金表によれば「入場料」「マッサージ料」「ゴマージュ(垢すり)」「ミントティー」などの単品価格とそれらを組み合わせたセット価格があります。よくわからないので(←これは何事にも良くない態度です)セット価格を頼んでみましたが、本来は入場料だけで十分楽しめます。cizmaも次回は入場料とマッサージだけでいいや、と思いました。

 入場料でできることは入浴とサウナ。石鹸なんか持ち込みOKなので、実は、ゴマージュを自分でもできるのです。セット価格のcizmaはやってもらったのですが、やってもらうまでの待ち時間が長い。この間にサウナで出た汗が引いて冷える。混んでる時期・時間帯だったのかもしれませんが、これが第1の誤算。しかもゴマージュおばさんはかなあーり荒っぽいので、日本の丁寧な接客に慣れてるとツライものがあるかも。ゴマージュタオルも共同だし、ベッドもさっと水で流すだけなので神経質な人にはお勧めしません(苦笑) つか、入口で「ゴマージュタオルは個々のを使うので持ってないなら買ってくれ」と売りつけられたのはなんだったんだろう。

 シャワー設備もあるので、汗やゴマージュ後にさっぱりすることができます。この時点でサルンはびしょぬれ、絞れます。飲み物を持ち込んで、水分補給しながら楽しんでいる常連さんも居ましたが、そんな用意をしていないcizmaは、そろそろ上がることにしました。まだマッサージとミントティーのチケットがありますから、マッサージしてもらおうw

 マッサージエリアは一休みエリアでもあります。この時点で第2の誤算。入口近くで濡れた体とサルンでは風邪を引きそうです(涙) しかも前述の通り混んでいるのでマッサージまでの待ちも長い・・・いつ呼ばれるかもわからず、しかも呼び出しがフランス語の数字だからさらにわからん!それでも、マッサージ係の人が「このインドネシア人、フランス語わからんみたいだ」と理解してくれて、「あの人終わったらあなたよ」って教えてくれたのが救い。ちなみにマッサージ係は4人居たのですが、マッサージしながら仲間内でアラビア語使ってずーーーーーーっとおしゃべり。ま、いいんだけど、なんかカルチャーの違いを見た気分。

 マッサージそのものは気持ちよかったです。オイルで一瞬ヒヤっとするけれど、人に揉んでもらうのはいいですねぇー・・・極楽。もし次に行くことがあったら、サロンをもう1枚持っていこう。濡れた後の替えに必須だ。それにしても、エリア内は女性だけしかいないとはいえ、西洋人のトップレスどんとこい!な状況はすごかった。羞恥心をどこに感じるかっていうのは、文化と不可分なんだと実感してみたり。

 ハマムの後はルーブルに行っていたメンバーと合流です。合流した時点で19時半。明日は選手登録や体重測定、午後には試合があるので、夜遊びしないでホテルに戻ることにしました。夕飯は途中でみつけたレバノン料理のお惣菜をお店でいただいて満腹満足。ひさーしぶりにおいしいソーセージ食べましたw味は全体的に濃いというかしょっぱかった・・・

レバノン料理のお惣菜
レバノン料理

 少人数チームなため、体重計を持ってきてない日本チーム。ホテルにシンガポールチームが居るのはわかっていたので、それらしき部屋のドアをノック。運動靴が外に出ていたので、多分そうだろうと当たりをつけたのです。そしたら、そこはマレーシアチームの部屋でした。体重計はあるけど壊れてるって・・・なんでじゃい。仕方ないのでさらに隣をノックしたところ、こちらはシンガポールのコーチ部屋。選手の部屋にある体重計を貸してくれました。そ、そしてなんと!選手の1人が体重オーバー!!ヤバイっ

3月14日(土):大会初日

 いよいよ、今日が大会初日。事前に配布された資料だと8時半から受付・体重測定となっていましたが、到着した日に確認したところ、会場に9~10時に居ればいいそうです。じゃー9時に会場に居られるように行動を開始した日本チーム。部屋の窓から見つけたマルシェに行くべくロビーに降りたところ、他のチームは会場入りする気満々。え、と現在時刻8時半前。どうせ押してるだろうしなぁ、大会事務局の親分が9時って言ったしなあ、とちょっと不安に思いつつもそのままマルシェに出かけました。初マルシェ、楽しかったです。いかにもフランス!と言ったところでしょうか。チーズとかオリーブとかフランスパンとか、ナツメヤシも売ってました。体重オーバーしてる選手も、ここなら果物などで小腹を満たすことができました。

定番フランスパン。他にクロワッサンとかも。
フランスパン

 一旦部屋に戻って会場入りしたのが9時頃。会場は絶賛設営中。まーそんなもんよね。事前情報では100人近い選手が参加する大規模な大会です。試合場を2面用意していました。2日間でこなすには、確かに2面必要です。そして会場で待つこと・・・どれくらいだったかな。11時前には受付・登録が始まっていたように思います。次の集合時間は12時半。12時半に組み合わせ抽選を行うと発表され、とりあえず解散となりました。

 受付をしてみると、来ると言っていたチームが来ていなかったり、人数が減っていたり、で結局選手数88名、試合数73ということになりました。これでも、2日間でやるには相当巻いてスピーディにこなさなければいけません。でも全てはシラット時間で進んでいきます・・・大丈夫かなぁ。

 お昼休憩を挟んで、12時半にチームマネージャーが集合し、13時前には抽選会が始まりました。抽選はスムーズに終了したものの、どの試合が最初に行われるのかはまだわかりません。トーナメント表が出来上がってないからです。なんかなぁ、前回より運営がグダグダだ(苦笑) しばらくしたら、試合番号30までが発表されましたが、これが今日の分全部なのか、夕飯前までの分なのか、不明。この運営は選手が気の毒すぎです。

 14時には第一試合を始めたいところでしたが、それは無謀というもの。結局15時くらいだったでしょうか。ここから怒涛の2日間が始まります。なかなか予定が発表されない選手も準備が大変だったかと思います。でも実は、審判も大変でした。1試合に必要な最低審判人数は、6名。これが2面あるので12名。審判は総勢15名、2つに分けると1面に7,8名。7,8名のうち6人は仕事中ということになります。休む間なし、とはまさにこのこと。

2面で試合します。
試合会場

 なかなか確定しない試合順にやきもきし、準備不足を心配しましたが、日本選手の試合は男女ともに勝利! イヤーめでたい。疲れも吹き飛ぶってなもんです。全体としては、採点用紙の準備が間に合わないための休憩やら、夕飯タイムとか流派のデモンストレーションなどを挟みつつ、なんとか予定の試合数をこなし、会場を後にしたのは22時過ぎでございました。あーつかれた。

3月15日(日):大会二日目そして夜の観光

 さて、2日目にして最終日。8時半に第一試合を開始するため、審判団は8時集合とのお達しが昨夜の解散時に出てました。とはいえ、そこはシラット時間ですから、8時に試合会場ではなく、8時過ぎに会場入口に着くようにホテルを出ました。

 入口についてみたら、施錠されてます・・・はてどうしたもんか。あ、そういえば施設や会場全体から見ればここは裏口。まだ朝早いので正面しか開けてないのかも?がしかしその正面への行き方がよくわかりません。適当に周囲を回ってみると、ちょうど開いているドアを発見しました。そこから中に入ってみると、エレベーターがあります。位置関係的にこのエレベーターに乗れば、組み合わせ抽選を行った部屋の辺りに出そうです。そしてビンゴ!ほぼ予想通りのところに出ることができました。

 そこから会場に入ってみたら、なんとまあ、そこにいるのは医療チームのみ。彼らも8時集合って言われたんだろうなぁ。関係者が誰も居ないので、ちょっと居心地悪く、正面玄関方面に行ってみると、ドアの外にマレーシアチームのマネージャーが居ました。そう、玄関は施錠されているのです。開けてくれ、とゼスチャーされましたけれど、鍵ないし。ここへの入り方をゼスチャーで教えるにはちょっと複雑。ごめんね。

 あまりにもすることがなく、仕方ないのでストレッチなんぞをしていたら、施設関係者と思しきおじさんが鍵をジャラジャラぶら下げて登場しました。そして、ほどなくざわめきと共に、審判と選手達が入館してきます。この時点で8時20分くらい。cizmaは外で待つのが寒かったのとA型気質で入れる場所を探したけど、皆さんおとなしく(?)待ってたのね・・・中に居たcizmaを見て皆さんビックりしてました(苦笑)

 9時前には第1試合が始まり、またもや怒涛の時間が過ぎていきます。通常、決勝では会場の試合面数を1つに絞り、審判の数も一番オフィシャルな5人体制にします。でも今回は試合数が多すぎて、それでは時間内に終わらないのが明らかなため、最後の最後まで、会場全体で2面の試合場、審判の数は試合が成立するミニマムサイズ3人で行われました。おかげで最後の試合が終わったのは16時前。表彰式などを執り行っても、明るいうちに解散できます。そうそう、初日は審判だけでしたが、2日目の今日はとうとう主審でびぅしましたよ!先輩審判が「これは裁くの簡単だから」とヒヨっこ審判に試合を回してくれました。そんな簡単な試合でも、反省点・赤面しきりの内容ではありましたが、今後に活かす教訓とします・・・

 日本選手は、2戦目では勝利を挙げることはできませんでした。それでも男子選手は初国際試合で1勝を挙げ、2戦目で負けたもののこれが準決勝だったために銅メダル獲得。女子選手は2戦目が決勝戦で、銀メダル獲得。すごく点差が開いたわけではなかったので、次はメダルの色をさらに輝くものにできる予感大です。2人派遣してメダル2つ、メダル獲得率100%って凄いよね!

唯一持ち帰れなかった金色のメダル
金メダル

メダル最多獲得チーム:マレーシア
マレーシア

 メダル表彰の後、大記念撮影大会がいつもどおりに行われ、再会を約束しての流れ解散。メダル獲得の喜びと別れの寂しさの余韻に浸りつつ、ホテルに引き上げます。日本チームは今日が最後の夜。まだ明るいですから、観光しながら市内で打ち上げだ!

 いつも裏から出入りしていたので気付きませんでしたが、会場はかなり立派なスタジアムを併設していました。地元のチームとかもあるのかな?

会場にあったスタジアム
会場外観

 市内に向かう途中、変な日本料理店を見つけました。「YIFAN」で日本料理と言われてもピンと来ません・・・同行者曰く、「日本語でNO1を知りたくて調べたら「一番」だった。読めなくて中国人に読んでもらったんじゃ?」この推理、当たってそう。

怪しい日本料理レストラン 一番=YIFAN?
日本料理レストラン

 トラムからバスに乗り換えるポイントで大繁盛のお菓子店を見つけました。ひっきりなしに人が出入りしていて、本当においしそうw お店のホームページによれば40年続く老舗の部類っぽいです。仏語読めないから勘ですが。

パティスリーTHEVENIN
パティスリー

 その昔、「世界一速い」動く歩道としてけが人を続出させたという歩道のあるモンパルナスでさらに地下鉄に乗り換え、市内到着。閉鎖された動く歩道はなんかこう物悲しいものでした。どんだけ速いのか試してみたかった気もしますけど、そろそろ無理の利かない年齢なので、降りるときに転んじゃってるかも。

閉鎖されているのは真ん中の歩道
閉鎖歩道

 夕飯、というか、打ち上げは魚介! この辺りは寒くて食中毒菌が不活性なので安心です。うまー・・・これの他にもう1品メインを頼み、ワインを1本空けても1人3000円ちょい。安っ ちなみにお店はチェーンのChez Clementです。日本で言うところのファミレス的位置づけらしいですが、十分おいしゅうございました。

魚介盛:生牡蠣とか海老とか蟹とか。
魚介盛り

 満腹になったところで外に出ると、きれいにライトアップされたノートルダムが目に入ります。東京のビルの夜景もいいけれど、歴史的建物のライトアップもいいですね。昨年はあまりの寒さにライトアップの時間まで外に居ることに耐えられず、ホテルに戻ってしまいましたが・・・さすがに3月末復活祭間近ともなれば、我慢できる程度の寒さです。

ノートルダムとセーヌ河
ノートルダムとセーヌ河

ノートルダム裏側
ノートルダム裏側

 ノートルダムの周囲を一周し、その威容に圧倒されます。圧倒することを基本コンセプトとしたデザインだから当然ですが、日中とはまた違った威圧感がありますね。

ノートルダムをシテ島側から
ノートルダムシテ島側

ノートルダム近景
ノートルダム近景

 夜歩きで冷えた体をカフェで温め、ホテルに戻りました。明日は朝7時にロビー集合、1日移動です。荷造りしなきゃ。

3月16日(月):移動日

 今日はただひたすらに移動です。出発の時間が近いシンガポールチームと一緒に空港までの送迎となりました。シンガポールチームを第1ターミナルで降ろし、私達を第2ターミナルまで運んでもらいます。それにしても、インフラが整った国のナショナルフラッグは威信をかけて、というか、優遇されてますね。チェックインは機械でやると早く済みます。席も事前に選んだものを変更することができ、便利なことこの上なし。

オートチェックイン
オートチェックイン

 搭乗時間まで少し間があるので、中に入ってのんびりすることにしました。おなかの空いたcizmaは軽く腹ごしらえもしたい。でも、ユーロ紙幣を崩すことなく軽食を買い求めるには、空港物価は高すぎT_T カードを使うという手もあったんですけど、さすがにそこまではねえ、と思いとどまり、お腹に入れたのは0.9ユーロのパンと0.4ユーロのバター。ちなみにバターは機内食で出たのと同じメーカー&サイズでした。

合計1.3ユーロの朝食
合計1.3ユーロの朝食

 第1ターミナルもなかなかモダンなデザインですが、第2も負けず劣らず現代建築です。ガラスだらけで万が一の時が怖いけれど、地震がない国だからこそできるデザインなのかも。でも、インターネットコーナーがないのはマイナスポイント。正確に言えば、1つあったけど、故障中だったのよね・・・あと、キャパの割りに椅子の数が絶対に足りてないと思う。シーズン的なものかもしれないけれど、座る場所を見つけるのに一苦労でした。

ゲート近辺
ゲート近辺

吹き抜けの下は免税店
吹き抜け

 搭乗時間になり、機内に入ります。行きよりは混んでいましたけれど、運よく隣は空席。今回は直行便の長距離フライトにも関わらず、往復ともに隣が空席で足を伸ばせる幸運に恵まれました。美食の国フランスの誇りを賭けて、機内食もおいしかったし!帰りの第1食目で、ペットボトルの水が出たのは好感度大です。これなら飲みたいときまで取っておけます。他の会社もこうしてくれたらいいのに。

ムスリムミールな機内食
機内食

3月17日(火):帰国

 行きは「まだロシア東岸」と思いましたが、帰りは気付いたら「もうロシア抜けそう」という状況でした。熟睡というわけにはいきませんが、行きに比べて相当深く、長く寝ていたように思います。16日の朝7時にホテルを出発し、成田到着が17日の朝7時。結局、時計の上では24時間の移動ということに。遠いわー欧州・・・

 それにしても、パリオープンは私にとって、いろいろと節目を与えてくれる大会です。初めて参加した2005年には初メダル獲得&海路郎さん初欧州。2008年には審判デビュー。そして今年は主審デビューさせてもらいました。次回はどんな「お初」が待ってるのかな?日本初の金メダルだといいんだけど^0^

 80年代には毎月どこかで国際大会が開催されていたという欧州も、今では年に1,2回の大会開催がやっとです。参加選手・審判の顔ぶれが大きく変わることがないのを考えれば、世代交代や裾野開拓がうまくいっていない面もあるのでしょう。それでも、知った顔、新しい顔に会い、遠く離れたアジアの競技がヨーロッパで行われているのを見るのは楽しいものです。願わくば、細々とでも途切れることなくシラットがヨーロッパで続きますように。日本でも負けずにがんばるぞーっ