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 2019年6月22日にアメリカのワシントン郊外(バージニア州スターリング)で開催された記念すべき北米大陸初のプンチャック・シラット大会、第1回USオープンに参加してきました。

第1回USオープン概要
 (1)大会について
 (2)大会参加チーム
 (3)大会日程
 (4)競技種目
 (5)競技結果

大会こぼれ話・裏話
 6月20日(木):行くぜアメリカ
 6月21日(金):時差ぼけ解消
 6月22日(土):北米初のシラット大会
 6月23日(日):観光その1
 6月24日(月):観光その2
 6月25日(火):帰路につく
 6月26日(水):帰国

第1回USオープン in スターリング(22nd Jun. 2019)概要

第1回USオープン in スターリングについて

 初めて米国の選手を世界大会で見たのは2010年のジャカルタだった。その時、一人で試合部門・演武部門双方にエントリーし健闘した彼が、USAプンチャック・シラット連盟の副会長として精力的に活動を続けている。昨年12月の世界大会で米国は初めて試合部門でのメダル(銀)を獲得し、その勢いがあるうちに国内での大会開催となったようだ。
 採点システムは独自開発のデジタル採点。今後に向けて改善の必要な部分はあるものの、初めての開催としては、かなりの合格点だったと思う。

総合スポーツ施設の一画を賃貸
会場

大会参加チーム

 アメリカ(ワシントン、NY、LAなど)、シンガポール
 
 *マレーシア、ウズベキスタン、キルギスタンの参加が予定されていたが、ビザ取得で手間取ったそうで、不参加(ドタキャン)。
 **参加選手総数は80名以上。

大会日程

 大会は6月22日の1日のみ。組み合わせ抽選は機械により事前に行われた。

競技種目

 演武部門は競技として男子トゥンガル、女子トゥンガルが行われた。女子ガンダ、男子ガンダ、男子ルグはシンガポールのみがエントリーしていたため、エキシビション。
 試合部門はプレジュニア、ジュニア、青年のカテゴリーが行われた。ただし、体重別エントリーで対戦相手がいないクラスもあり、許容できる範囲での調整が実施された。(例:プレジュニアAクラスとBクラスの選手が対戦する)

競技結果

 どのチームも金メダルを手にして帰ったと聞いている。シラットが趣味であるアメリカと、競技者として日々を過ごすシンガポールでは、地力に差があるのは当然であり、その差はアメリカ側にとって良い刺激となったようだ。しかし、シンガポールも全勝したわけではなく、アメリカ選手に敗れた試合もあった。世界大会での銀メダルは運ではなく、きちんとしたトレーニングに基づいた、もたらされるべき結果であったことが示されたと言える。

大会こぼれ話・裏話

6月20日(木):行くぜアメリカ

 今月2回目の海外。元々は、このアメリカ行きだけが予定に入っていたのです。同門というか師匠繋がりのメンバーが中心となっている米国プンチャック・シラット連盟から、「初めて大会をするんだ、是非来てほしい」と言われたのが年頭でした。チケット買って、ESTAも通って、何年ぶりの米国渡航なのか。思い返せば911の時、米国に居たんだよなあ、自分。

 総合的に判断し、成田発のANA便ワシントン直行での渡航です。ダメ元でプレミアムエコノミーアップグレード入札プログラムにも参加してみました。ダメ元だったのに、行きはなんと入札に勝ちました‼最低額での指値だったのに。ちょっとした贅沢で、ラウンジも使えます。

ラウンジにある食事原材料表
原材料表

 ラウンジにはいろんな軽食があり、しかも原材料表が置いてありました。地味に親切です。がしかし、字が小さすぎです。ルーペと一緒に置いておいてほしいです。そして、ハラル対応のカレーがあったのには驚き。でも、ANAラウンジは「豚だよね」というものにしか豚由来はなかったので、良心的です。チキンカレーにポークエキスが入ってるとか、そういう罠は発動していませんでした。

 ただ惜しむらくは、機内のムスリムミールが・・・何回乗っても同じメニュー!!このデザート、サラダ、メイン(当然カレー)、全部いつも一緒!!! 求むバリエーション。ハラール認証が欲しいわけではなく、どういうメニューが出るのか興味があるので、飛行機に乗るときには基本、ムスリムミールを注文するのですが、ANAは一度ROYALの激マズカレーから一歩進化して以来、数年単位で変化がないのはどうしてくれよう。もうムスリムミール止めようかなぁ。

デザートも認証案件に
デザート

 メニューは何も変わらないのに、デザートは認証ものになってました。バナナ渡されるよりはいいか。
 アメリカ行の飛行機ということで、初めて聞いた機内アナウンスがあります。「飛行中は席に座っていてください(要約)」 長時間座っていることで固まる身体をほぐすために、ちょっと歩く人はいます。でも、通常は座って過ごす人の方が多いでしょう。それをわざわざアナウンスする辺り、意味なく歩き回ると不審人物扱いで、場合によっては拘束対象なんだろうと推察されました。怖いー

 プレミアムエコノミーの少し広いフットレスト付きなシートで、ひたすら寝ること12時間(正確には、寝ていたのは8時間くらい?)、やっと到着ワシントン!空港だからか、働いてる人も含めて、日本はもちろんのこと、フィリピンやタイよりよほどヒジャーブ率が高いことに気づきました。男性も髭率高いです。
 ヒジャーブして日本旅券とか、偽造旅券を疑われたらどうしよう。手持ちのガジェットは全部HUAWEIなんだけど、取り上げられたらどうしよう。とか思いながら入管エリアに進みます。簡単な質疑応答で問題なく入国できました。簡単とはいうものの、ヨーロッパより詳しく聞かれた気がします。「何しに来たの」は定番として、「シラットって何」「いつからやってるの」「友人とはいつ知り合ったの」などなど。適当なでっち上げ入国理由は許さん、というところでしょうか。顔がにこやかなところはアメリカ〜って感じでした。ヨーロッパは無表情。

 さて、入国したものの、お迎えがいない。これは困った。しかも携帯が通じない(設定ができてない)、wifiの表示もない。うーん…スタバはwifiありそうだけど、空港にwifiがないはずがないのです。ヘルプ要員のような空港職員に声をかけると、やはりwifiがありました。ゲスト用アドレスでログインし、友人に連絡を入れます。Whatsapp万歳。待つこと10分、無事に合流し、ホテルに向かいます。

 車内でスケジュールを確認したところ、大会は予定通りに明後日、明日の夜に大会に向けた審判講習を行い、今日の夜は急遽インドネシア大使館への招待が入ったとのこと。大会当日には当然、大使館からゲストが来るそうですが、それに先立ち国際チームを招待してくれる話が決まったそうです。
 ホテルに到着すると、シンガポールチームがバスケットボールコートで練習中。大使館には、彼らがチャーターしたバスに同乗させてもらえることになりました。15時にはロビーに集合です。大使館への招待は17時ですが、帰宅ラッシュの渋滞に備え、早めに出発することになっています。

 結局、大した渋滞もなく16時は大使館についてしまうという。なんかシンガポールチームのインドネシア人コーチたちがインターホン越しに話し、少し(大分?)早いものの、中に入れることになりました。
 大使館の本館は1900年初頭の歴史的建造物で、館内ツアーも行われているとのこと。そして実はホーンテッド大使館でした。もともとはホープダイヤモンドの所有者の屋敷だったとか。いろいろな逸話もあるようで・・・

ガルーダの間
ガルーダ

 挨拶に大使が登場し、おやつをいただき、18時過ぎに退館しました。明日は夜まで予定がないので、もう、ひたすら寝て(またか)時差ぼけ解消に努めます。

6月21日(金):時差ぼけ解消

 いやもう、ホント、日中はただひたすらに寝てました。朝食、昼食も持ち込んだ食料と昨夜の残り(夕食は大使館退出後にレストランでテイクアウト)で済ませ、部屋から一歩も出てません。ホテルがキッチン付きだったのが幸いしました。やっと外に出たのは18時半。ロビーに集合し、19時から審判講習が行われる会場に向かいました。

 会場はまだまだ設営中。メンバーが仕事帰りに設営を始めているので、仕方ありません。どんどんと機材が持ち込まれ、会場の形が整っていきます。米国独自開発のデジタル採点システムも、試しに使うことができました。過去の経験では、ワイヤレスのデジタル採点の場合、IT班が自前でwifi環境を設置していたのですが、今大会では会場のwifiを利用しているのが若干の不安材料ではありました。でも、システム自体は合格点だと思います。

審判、諸々確認中
審判

 なんやかやと22時近くまで会場に居ました。明日は8時に会場集合、9時開始の予定です。

6月22日(土):北米初のシラット大会

 朝、あとは大会を始めるだけ、となっていたわけではありません。昨日は閉館時間ギリギリまで作業をしていましたが、それでも全部の準備を終了できたわけではなく、今朝セッティングしないといけない事柄が残っていました。9時には開会式の予定ですが、果たして間に合うのかどうか・・・

 結論から言えば、間に合いました。間に合わせた、とも言えます。9時の開始に合わせて、在ワシントンのインドネシア大使閣下がいらしています。少々バタバタしながらも、ほぼ予定通りの時間に開始の挨拶が始まりました。ただ、デジタル採点のセッティングは間に合いませんでした。間に合わないというより、会場のwifiとの接続問題を解決する時間が足りなかった、と言えるでしょう。そのため、2つのアリーナのうち1つはアナログ(紙)での採点となりました。

パンチャシラに合わせて5回叩く大使
開始

 最初はスニ種目から始まります。当初予定されていたのはトゥンガル(ソロ)だけでしたが、シンガポールチームにはガンダ(ペア)とルグ(チーム)の選手も同行していたため、3種目すべてが行われました。とはいえ、ガンダとルグはエキシビション扱いです。トゥンガルの成人選手は全てフルで、ジュニア選手は素手パートだけ、という形で実施されました。ジュニア選手が素手パートのみ、というのはインドネシアでの大会でも見られるやり方です。
 スニ種目の後は、タンディング種目。参加登録している選手数の都合上、ルールブック通りの体重別クラスとはいきません。年齢(学年)と体重差を総合的に判断して、組み合わせが作られていました。先日の韓国大会と同様の方式になります。

上:受付 下:会場
受付

 シンガポール選手に勝利を収めた米国選手もいて、会場はなかなかに盛り上がったと思います。シンガポール戦ではレフェリーとして投入されましたが、基本的には統括ポジションでデジタル採点のモニタリングと時間管理をしていました。wifiの状況によっては、統括PCに採点審判のデータが届かず、やきもきしたり。あと、スクロールすることなく全てを確認できるようにしないと、試合を見逃しかねません。試合を見逃すと、指示に支障がでます。開発者はシラット関係者なので、次大会ではUIが改善されていることでしょう。

 観客・選手の大部分、8割ほどはムスリムだったはず。これには在米インドネシア人も含まれます。名前から察するに、アフリカ系、南アジア系、スペイン系、インドネシア系。見た目からもいわゆる「白い」人、有体に言えば金髪碧眼はいませんでした。米国でのシラット普及・発展をアピールする写真として、”白い人がいない”状況を不満に思う向きがあったようです。”これではアメリカじゃなくてインドネシアだ”と。なんかなぁ・・・何かおかしなコンプレックスを拗らせた偏見がインストールされているように思えてなりません。自分も気をつけよう。

 重傷者が出ることもなく、かなり遅い時間にはなりましたが、大会は無事終了しました。シンガポールチームは明後日の帰国を前に、明日は早朝からバスでNY観光に行くとのこと。cizmaは同門と近場のモスク巡りの予定。

6月23日(日):観光その1

 今回の滞在は大会が1日だけということもあり、フリーな日が2日もあります。帰国は明後日なのです。今日もしくは明日帰国する飛行機を予約することも可能でしたが、なぜか滞在日数が短い方が航空券が高いという。滞在費と航空券の差額を天秤にかけ、長めの滞在を選択しました。結果、フリーな日が2日間。ホテルに引きこもりも覚悟していましたが、幸い今日も明日も一緒に遊んでくれる人が見つかりました。ありがとう!

 何がしたい?と聞かれたので 1)モスクが見たい 2)ホワイトハウスとかの有名どころが見たい 3)エンタープライズ号が見たい と。2)と3)は月曜に、1)は今日の観光プランに組み込まれました。というわけで、まずは近辺で最も美しいというディヤネットモスクにGO!です。

ディヤネットモスク
モスク

 いやはや、敷地が広大。そしてトルコの飛び地。白亜のモスクと文化センター、カフェにスポーツジム、スイミングプール、コテージの宿泊施設群、多目的ホールにレストラン。いやはや、すごかったです。これだけ広くても、周辺における「唯一」のイスラム施設ではないそうです。しかもイードには人が溢れるとか。
 モスクの中で気になったのは↓の張り紙とサダカ(寄付)箱。

金曜礼拝中の子守案内
張り紙

 この、金曜礼拝中に子ども預かります、というのは大変いい試みだと思いました。日本でもやればいいのに。

頑丈なサダカ(寄付)箱
寄付箱

 取っ手を引くとお金が入れられ、そのお金は中で金庫の方に滑り落ちて行くようです。集金のために開けるには、暗証番号とかが必要な頑丈さ。特に意味はなく「うわあ、アメリカっぽい」って思っちゃいました。

 この後、もう一人の友人と合流してモールでご飯。巨大サイズのドーサが出てきました。cizmaが知ってるドーサの倍はあったと思います。美味しかったけど、あんなに食べられません・・・ヘルシーフードだって量を食べたら不健康だと思います(苦笑)

 満腹を越えたお腹を抱えて向かった先はジョージタウン。ワシントンで最も古いモスク、イスラミックセンターに連れて行ってくれました。トルコ語+英語だったディヤネットとは異なり、こちらはアラビア語+英語の施設。

イスラミックセンター
センター

 内部のタイルは1969年にトルコ政府から寄贈された、との記述がありました。ディヤネットとはまた違った趣のこちらも素敵。そしてどちらのモスクも、メインフロアに女性礼拝スペースがありました。いいことです。ちなみに、ここの寄付箱はワシントン最古のモスクにふさわしい、レトロなものでした。

レトロ寄付箱
レトロ

 モスクを離れ、車を置いてポトマック川沿いを散策です。アメリカの河川で名前を知ってるのは、ミシシッピ、リオ・グランデ、ポトマックくらい。ポトマック川、名前は知ってるけれどワシントンにある川とは知りませんでした。天気のよい休日ということで、にぎわってました。川にもボートやカヤック、カヌー、立ちカヌーなどで多くの人が繰り出していて、6月なのに夏!です。実際、気温も高かったですしね。

いい天気!
リバーサイド

 川沿いからジョージタウンの目抜き通りへ。完全予約制の猫カフェがありました。でもただの猫カフェではなく、ここの猫ちゃんたちは里親待ちの保護猫だそうです。お客さんの中から新しい家族を見つけたり、カフェの売上が猫の保護活動費になるとか。なるほどなぁ。
 目抜き通りは正直なところ、屋外モールといった印象です。並んでいるお店がモールに入っている店舗とほぼ同じ感じを受けました。その中で「ここの名物だよ」と紹介されたのが、カップケーキのお店。有名店だそうで、なんかすっごい並んでました。味は普通、と言われ、さすがに並んでまで試したいほどの甘党でもカップケーキマニアでもないので、スルー。
 そういえば、通りのアジア料理店に「We Reserve The Right to Refuse Service to Anyone」の張り紙があり、ちょっと驚き。ありなんですね。でもこのお店、他にも「トイレは貸しません」「呼ばれるまで勝手に席に座らないで」とか注意書きが多く、クレーマーに悩まされてるのかしら、とも思ってしまいました。

 そのままテクテクとインドネシア大使館まで、トイレを借りに。そしてここがお化け屋敷と言われてることを知りました。ホーンテッド大使館。
 1900年代初頭に建てられた素晴らしい外観と内装なのですが、これを建てた一族はあのホープダイヤモンドの何代目かのオーナー。そう、現在はスミソニアンに収蔵されている”呪いのダイヤ”です。その呪いを受けて(?)悲劇の最後を辿った一族の屋敷です。4階にお化けの女性がいるとか。大使館を訪れた子供が、大人には見えない犬を連れた子供と遊びたがるとか。誰も触ってないのにエレベーターが止まるとか。まあ、そんな話が沢山あるようです。

木曜に撮れなかったアングル
大使館

 現在は改修中(経年劣化を修繕)のため、全部は見られませんが、大使館見学ツアーというものがあります。予約制ですが、ワシントンに行く機会がある方は是非お試しを。

女神像
像

 大使館の集まるこの通りには、各国大使館が像を建てています。多くはその国の偉人(インド大使館前にはガンジー、というように)を建てるなか、インドネシア大使館のはこれ。女神像です。2014年のSBY政権時に建立されたそうです。左端の男の子はオバマじゃないか、との噂があるとかないとか。

 明日はザ・アメリカなエリアを観光するぞー

6月24日(日):観光その2

 今日はまず、地元のモスクを訪問です。911の後に建設され、最近、新館部分が増築されたとのこと。

ADAMSモスク
adams

 入って最初に目につくのは星条旗・・・と火器装備の警備員さん。聞いたところ、この施設で働いている人の9割はムスリムだけど、警備にはノンムスリムもいるそうです。ただ、ノンムスリムの警備員さんも長く勤務するうちに、改宗する方が多いんだとか。

中の様子
adams

 旧館しかなかった頃は、完全に多目的ホール状態だったようです。礼拝の時には絨毯を敷き、それ以外では体育館であり、集会所であり・・・と(写真上段) 現在では基本的に体育館、金曜礼拝やイードなど、人が多く集まる際には礼拝所になるとのこと。ちなみに金曜礼拝には人が多く集まり入りきらないため、近隣のシナゴーグ2カ所を借りてるそうです。
 旧館では各種教室が行われています。学校も併設されているとのことでした。こちらもまた、人が多い時期(ラマダンなど)は礼拝所として使われるため、礼拝所の状態がわかるようにモニターが設置されています。(下段中央)
 ボーイスカウト、ガールスカウト活動があったり、スポーツ大会を開催したり、と一見、宗教とは関係のない活動も行ってるとのこと。また、積極的に他宗教とも交流、勉強会をしているそうです。大都市ワシントンに近いからこそかもしれませんが、”普通”にコミュニティの一員として、構えることなく活動しているように感じられました。

クレカが使える
クレカ

 モスクの次に連れて行ってくれたのは、絶景。

絶景哉
ポトマック

 毎年、注意書きを無視して落ちて亡くなる方がいるそうで・・・。岩だらけのこの激流が、街中ではゆったりとしたリバーサイドを提供しているとは、とても結びつきませんでした。そう、これはポトマック川なのです。さらに上流にある源流は、ほんの小さな湧き水だとか。大陸ってすごい。

 渋滞する時間帯を避けて、ワシントンDCに向かいます。目当てはホワイトハウス、リンカーン、そしてエンタープライズ号!

ホワイトハウス
ホワイトハウス

 タイミング悪く来客があるということで、一番接近できる歩道から道の向こうに追いやられてしまいました。屋根の上にスナイパーが見えたのが、ホワイトハウスの思い出。

ワシントンと言えば
ワシントン

 それにしても、ホワイトハウスといいリンカーン記念堂といい、白亜の建物は夏空の目に痛い…リンカーン記念堂の土産物店には本が沢山あって、その中の一冊が「ファーストレディ―塗り絵」だったのが、記念堂の思い出。

渡米最大の目的
エンタープライズ

 ワシントンに行くことが決まってから、これは絶対に外せないと誓っていたスミソニアンのエンタープライズ号。「何がしたい?」と聞かれて「エンタープライズ号が見たい」と答えると、結構皆さん、スミソニアンにあるのをご存知ないようで驚かれました。「え、あるの?」と。
 エンタープライズ号の電気は機体の保持のため、常時点灯ではありません。11時、13時、14時の1日3回10分間だけです。エンタープライズ号目当てで来館される方はご注意を!

 この後、友人お勧めのアメリカンインディアン博物館のフードエリアで昼食をとりました。

昼食
食事

 ビュッフェ形式でいろいろ選べます。一番手前のは3姉妹サラダ(激ウマ)。ネイティブアメリカンの伝承に基づいて、3姉妹なんだそうです。その奥にあるのはバッファロー肉と豆の煮込み、隣はコーンブレッド。ウム、アメリカ。 注文時、係員(名前から察するにノンムスリム)が「これとこれは豚が入ってるよ」って教えてくれました。ウム、アメリカ。

 食事の後は議事堂へ。内部見学ツアーがあるということで、それに参加。液体を持ち込めないので水筒やペットボトルを空にする必要はありますが、予約不要です。こちらもお時間のある方、是非。ちなみに、ガイドのお姉さんがえっらいテンションの高い人で、ネズミーランドかと思いました。

ドームの真下、ワシントンの中心点
中心

ドームの間
ドームの間

 ドームの間には建築当時における”建国史”がありました。そして、ドームのフレスコ画の中心にいるのはワシントン。なんとうか、ネイティブアメリカンと遭遇、和解が基調となっている絵画であり、レリーフでした。ポカホンタスが洗礼を受けている絵もありました。あと、個人的には、アフリカ系の気配が何も感じられない部屋だなあ、と。ツアー最初の紹介ビデオでは「この建物の建築には多くの黒人奴隷が使われました」とあったのですが。

 議事堂内には各州が推薦する偉人・有名人の銅像が沢山あります。故人であればよいそうで、知ってる有名人を探すのは楽しいかもしれません。

有名人たち
有名人

 写真左から、レーガンの足元にある石はベルリンの壁のかけらだそうです。マッカーサーかと思ったらアイゼンハウアーでした。確かに、大統領経験者はアイゼンハウアー。どこか伏し目がちなMLK牧師。皆大好きワシントン。ローザ・パークスとかエジソン、ヘレン・ケラー、カメハメハ大王もいました。
 じっくり40分ほどかけてのツアーです。議事堂内のお土産店では「販売してるのはアメリカ製だけです!」と看板が出てました。昔からなのかな?それとも現政権だから?

 ワシントンDC観光の後、ゲスト講師として同門のジムにお邪魔しました。ホテルに戻ったのは21時過ぎ、明日には機上の人になります。

6月25日(月):帰路につく

 空港へは友人が送ってくれました。多謝。

 チェックインの時、格安でビジネスに潜り込めるチャンス!と案内を受けました。が、実はその案内が間違っていたという。チェックインを担当した係員さんは悪くないんです。一般的には格安アップグレードの対象者ではあったのです。ではなぜ「間違い」かと言えば、特別食=ムスリムミールを注文していたから。別にビジネスにエコノミー用のムスリムミールプレートを持ってきてくれてもいいし、あるいは、ビジネスの食事で食べられるものだけを選んで食べてもいいのです。
 でも結局、「エコノミーの特別食が廃棄になる」ということで、アップグレードNGでした。残念…ANAはメニューを全く変えないし、こういうチャンスを逃すなら、もうムスリムミールを注文するのは止めようかなあ。

 保安検査に時間が取られるかと思いましたが、10分ほどで通ることができました。ヒジャーブの中(頭のお団子)も検査されましたが、問答無用ではなく、係員が事前に「そこも検査対象なの。触ってもいいかしら?」と確認してくる丁寧さ。正直、意外でした。

お土産スタンド
お土産

 空港で売っていたアメリカ土産は、南米産が多かったです。もちろん、その分、議事堂で販売していたものより価格はお安めでした。

 さて、これから12時間のフライト。寝てれば着くけど、長いなー・・・

6月26日(火):帰国

 やっと到着した日本は26日。機内で過ごしたのは12時間のはずなのに、カレンダー上は24時間経っているのは、どうにも慣れません。私の12時間はどこへ消えたのでしょう。まあ、行きで12時間稼いだので、トントンなのはわかってますけれども。

 久しぶりの渡米に渡航前は少々緊張しつつも、行ってみれば友人たちのおかげで楽しく過ごすことができました。懸念していた保安検査や入国審査もスムーズで、なんならヨーロッパより係員は愛想がよかったです。訪れたモスクもすべて、気持ちのいいものでした。次に訪米できるのがいつになるかわかりませんが、少々の無理をおして行った甲斐がありました。また行きたい。

おまけ

遠くから見るペンタゴン
ペンタゴン

 国会議事堂とペンタゴンでは金曜礼拝が行われていると聞きました。なんか羨ましいゾ