今日は世界大会初日。開会式の後、昼食休憩を挟んで試合部門からスタートしてます。ある意味、当事者以外が観客席にいないので、採点するのに気が楽。施設が大きくなっただけでヨーロッパでの大会と空気感がそんなに変わらない気がする。しかし、よく考えてみると自分は東南アジアでの採点って今までインドネシアでしかしたことないんだわ…そりゃ空気感違うよ。
さて、全体のスケジューリングがうまく管理されておらず、試合が行われている途中でPERSILAT(世界プンチャック・シラット連盟)会議参加のために会場を離れることになってしまった。途中、というのは文字通りの「試合中」という意味ではないけれど、大会を中座するほどのものでもなかった気がする。唯一の成果は「日本も来てますよ」アピールといったところ。会議で発表された内容はいろいろ突っ込みどころがw
まず、シラットのPRと普及活動のために中東と中近東にチームを派遣するらしい。恐らく、これは来年インドネシア(リアウ)で開催される第5回イスラム諸国総合競技大会対策。IOC認可の大会なので、一定数が参加表明をしない競技は、いくら開催国が実施を主張しても実現しないとみた。東南アジアだとインドネシアとマレーシアしか…あ、ブルネイもか、とにかくベトナムタイフィリピンが参加しない大会だから、メダル総数を上げるためには是が非でも実施競技に組み込みたいところでしょう。(でも他国を甘く見てると痛い目見ると思う。今日のベトナム対ウズベキスタンはベトナムが薄氷の勝利)この大会の審判はイスラム諸国会議機構(だっけ?)参加国から選ぶそうなので、日本は直接関係するところではない。ただ、そうなると普段頼りにしてる東南アジア勢審判がほとんど参加できないはず。パキスタンとかウズベキスタン、アゼルバイジャンの即席審判で大丈夫なのか?
次に、来年第一四半期のうちに青年部門(14ー17歳)くらいの年齢層を対象にした特別訓練キャンプをジャカルタで開催するらしい。若い世代にシラットに興味をもってもらうとか選手の世代交代ができるように、とかを目的にしてると思われ。実際、ヨーロッパなどの選手層が薄い国はどうしても顔ぶれが変わらないんだよね。滞在費とかはPERSILATがもつそうだ。でも日本から関係者子弟を送り出すには年齢層が合わないし、関係者じゃないと怖くて送り込めない(引率できるかわからないし、ジャカルタは高校生にはわりとサバイバルな地)ので、これも不参加かなぁ。まあ、実際に招待状が来てから考えよう。
最後に、次回世界大会は2014年12月にパレンバンかペカンバルという話。これも諸費用はPERSILATもち。ここで注意すべきは2014年が選挙yearだってこと。選挙結果ひとつでこの決定は変更されることが十分に予想される。思い出されるのは前回の選挙yearにやると言って案内状まで(開催予定の3ヶ月前に)出したけど、中止された世界大会inバリ。確かあの時も「PERSILATが滞在費をもつ」という話だった。これも招待状がちゃんと届いてから考えよう。
それにしても、前回の世界大会がインドネシアなのに一回休んでまた出番っていうのが理解不能。各地でやることによって、もろもろノウハウが蓄積されたり人材が育成されたり、ひいては競技の普及と定着につながるはず。それを「うちでやれば無料です」なんて理由でインドネシアでやるのはあまりにも短視眼的ではなかろーか。本当に競技シラットを普及させてユニバーサルなものにしたいのなら、いい加減に政治利用や個人商店から脱するべきだ。競技シラットがアジア大会の選択実施競技に明記されているにも関わらず、一度もアジア大会で採用されないのは、競技人口エリアの片寄りや採点法の不明瞭さ(わかりづらさ)だけが原因だとは思えない。例えば、2013年から有効になる新規則集が11月の今現在、まだPERSILAT参加国に配布されていない(明らかにPERSILATは人手不足)。例えば、電子採点システムを管理するIT班にネポティズムを持ち込む。例えば、世界大会開催地が鶴の一声で決まる。なんかもうこういう色々が複合的に重なって色々と「ダメ」なんじゃないか。
とはいうものの、他のマイナー競技団体の内情を知るわけではないので、実はどこも似たりよったりなのかもね。
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いやー、ど素人で部外者の私から見てもcizmaさんの考えは全く正論だと思います。The Raid の世界的ヒットのおかげでシラット普及に弾みがつくかと思ったけど道のり険しのようですね。
とは言え、シラットねたでちょっといい記事を先週見つけたので、以下をご覧下さい。次世代育成云々をいうならこういうところに資金を使ってほしいですね、某国大統領候補者には。
http://www.thejakartapost.com/news/2012/12/05/passing-a-legacy.html
記事内容の補足ですが、サマリンダで行われたのは文中の彼女が所属するPERISAI DIRIの世界大会です。あと、SatriaMudaIndonesia(略してSMI)の親分は某国大統領候補だったりします。TapakSuciとMerpatiPutihも大きいグループですね。ちなみにTapakSuciはムハマディヤと不可分だったはず。
一回くらい見に行ってみたいですが、ボゴールかぁ。ちょっと気軽に行ける距離じゃないのが残念…
補足説明ありがとうございます。サマリンダの世界大会というのがいまいちよく理解できなかったので腑に落ちました。
TapakSuciがムハマディヤと近い関係というのも、なるほど名は体をあらわすというところでしょうか。
バンドゥンよりは近いところにあるようですから、Kampoeng Silat Jampang へ次回行ってみては?いまいち場所がよくわかってませんけど。