- 第14回プンチャック・シラット世界大会 + α -

 2010年12月12日から17日までインドネシアで開催された第14回プンチャック・シラット世界大会(今時ウェブサイトがない大会ってどうなのよ・・・大丈夫かインドネシア)に参加してきました。そして、世界大会中の1週間、その後年末までの2週間、計3週間のジャカルタ滞在。
 大会記録をメインに旅行記なんぞ。

第14回プンチャック・シラット世界大会概要
 (1)大会について
 (2)大会参加国
 (3)大会日程
 (4)競技種目
 (5)競技結果

大会こぼれ話・裏話&ジャカルタ滞在
 12月9日(木):いざジャカルタへ
 12月10日(金):審判講習会1
 12月11日(土):審判講習会2&大会前日!
 12月12日(日):開会式そして試合開始
 12月13日(月):大会は続く
 12月14日(火):そりゃもう大騒ぎ
 12月15日(水):夜は演武部門決勝
 12月16日(木):PERSILAT会議
 12月17日(金):決勝そして閉会式
 12月18日(土):チェックアウト
 12月19日(日):日帰りバンドゥン
 12月20-31日:修行週間
 1月1日(土):帰国へ

第14回プンチャック・シラット世界大会(12~17th Dec. 2010)概要

第14回大会について

 久しぶりにプンチャック・シラットの本場、インドネシアで開催されることになった世界大会。本場の矜持と意地に懸けて、いろんな意味で「負けられない」大会事務局とインドネシアチームでした。・・・負けてたけど(苦笑) とはいえ、開催決定から4ヶ月でここまでの規模・運営にこぎつけたのは立派です。でも、無理をする必要がどこにあったのか、非常に疑問。それは、参加国数が過去最大となっても、各チームの参加人数内訳を見ると、結構「お寒い」実情が見て取れるからです。特にヨーロッパ勢がひどい。大会開催を政治の道具にはしてほしくない、と切に思います。(詳しくはこぼれ話で)

 参加国数は公式アナウンスで30、実際はドタキャンの2カ国を引いて28。PERSILAT正式加盟国だけを数えるのであれば、さらに減って24。この辺の数字マジックはこぼれ話・裏話の方で。大会グッズには38の国旗がありますが、PERSILAT加盟国で参加できなかったのは 日本 カンボジア ラオス ネパール イエメン トルコ カザフスタン の7カ国。正確に言えば、日本は審判(cizma)が参加しているので、「選手派遣がなかった」7カ国、ですね。あ、ネパールは過去3大会ほど「行く行く詐欺」です・・・

会場入口にあった参加国一覧(仮)

第14回大会参加国 (全28ヶ国)

 ヨーロッパ諸国(9) : ベルギー(2)、フランス(1)、ドイツ(1)、オランダ(9)、ロシア(4)、スペイン(T:M&F)、スイス(1)、イギリス(2,T:F)、アゼルバイジャン(5)
 東南アジア諸国(7) : インドネシア(17,TGR:M&F)、マレーシア(17,TGR:M&F)、フィリピン(9,T:M,R:M)、シンガポール(16,TGR:M&F)、タイ(15,T:M&F)、ベトナム(17,TGR:M&F)、ブルネイ(8,T:M&F, GR:M)
 アジア諸国(7) : サウジアラビア(2,T:M)、ウズベキスタン(8)、ウクライナ(1)、イラン(7)、インド(6)、パキスタン(4)、韓国(1)
 その他(5) : オーストラリア(6)、ニュージーランド(1)、スリナム(1)、南アフリカ(3,T:M&F)、米(1)、
 
 *上記以外に東ティモールとコートジボアールが参加予定で、史上初めて参加国が30を越えるはずだったが、飛行機手配ができずにドタキャン。国名の後の()内には 数字=試合部門選手数、T=ソロ演武Tunggal、G=ダブルス演武Ganda、R=チーム演武Regu、M=男子、F=女子 を記載してある。

第14回大会日程

 参加者が多いので、試合は午前・午後・夜の3部制を取る予定・・・が初日は夜の部なかった。選手用ホテルと会場が隣接しているので、朝・昼・晩の食事はホテルです。審判のホテルは敷地の中にないので、別室が用意されてケータリングでした。
 基本的な行動パターンは・・・

6:30-8:00   朝食
7:30       ホテルロビー集合、会場へ
8:30       午前の部開始(予定)
13:00-15:00   昼食
15:00      午後の部開始(予定)
17:30-19:30   夕食
20:00      夜の部開始(予定)

 審判団のみ、選手から隔離されたホテルに宿泊のため、移動時間が必要になります。ホテルは2年前にOPENしたParkHotelCawangで、会場までは2,30分で到着する距離。

日付 イベント
11(土) 選手登録 / メディカルチェック / 体重測定
テクニカルミーティング・組合抽選
12(日) 開会式、試合部門1回戦
13(月) 試合部門2回戦、演武部門予選
14(火) 試合部門3回戦
15(水) 試合部門準決勝、演武部門決勝
16(木) 国際プンチャック・シラット連盟(PERSILAT)総会
17(金) 試合部門決勝、閉会式

競技種目

 プンチャック・シラットの試合には大きく分けて、体重別の階級で打ち合う試合部門と規定の型を競う演武部門とがある。今 大会では以下のクラス/型でそれぞれの技が競われた。

 
 1.男子試合部門(Tanding)
  Aクラス - 45kg以上50kg未満
  Bクラス - 50kg以上55kg未満
  Cクラス - 55kg以上60kg未満
  Dクラス - 60kg以上65kg未満
  Eクラス - 65kg以上70kg未満
  Fクラス - 70kg以上75kg未満
  Gクラス - 75kg以上80kg未満
  Hクラス - 80kg以上85kg未満
  Iクラス - 85kg以上90kg未満
  Jクラス - 90kg以上95kg未満
  Open - 95kg以上110kg未満
 
 2.女子試合部門(Tanding)
  Aクラス - 45kg以上50kg未満
  Bクラス - 50kg以上55kg未満
  Cクラス - 55kg以上60kg未満
  Dクラス - 60kg以上65kg未満
  Eクラス - 65kg以上70kg未満
  Fクラス - 70kg以上75kg未満
 
 *Open - 75kg以上90kg未満はエントリーなし
 
 3.男子演武部門(Seni)
  Tunggal (ソロ)
  Ganda (ダブルス)
  Regu (3人チーム)
 
 4.女子演武部門(Seni)
  Tunggal (ソロ)
  Ganda (ダブルス)
  Regu (3人チーム)

競技結果

 男子MVPはブルネイ、女子MVPはインドネシアの選手が獲得しました。最多メダル獲得国は3大会ぶりにインドネシアがベトナムから奪取し、開催地の面目を保った感じです。それでも、獲得金メダル数10のうち、6つが演武部門によるもの。試合部門のみをみると、金メダル8個獲得で2位のベトナムに大きく水を開けられています。金メダル数3位は獲得数4個のマレーシアでした。試合部門の「勝てない」状況は11月に開催されるSEAGAMES(東南アジア地域オリンピック)までに改善されるのでしょうかね?SEAGAMESもインドネシアが開催地なんだけど。

 大会の詳細については、審判業務に没頭していたこともあり、きちんとメモを取っていません。各階級、どこが優勝したのかもわからない。手元の記録から、各階級の決勝戦組み合わせを記載しておきます。金メダル数からどちらが勝ったか、誰か数学的に導き出してください・・

部門 種目 結果
男子試合 Aクラス ベトナム vs インドネシア *インドネシア優勝
Bクラス ベトナム vs マレーシア
Cクラス ベトナム vs シンガポール *ベトナム優勝
Dクラス インドネシア vs オランダ *インドネシア優勝
Eクラス インドネシア vs ブルネイ *ブルネイ優勝
Fクラス インドネシア vs マレーシア *マレーシア優勝
Gクラス ベトナム vs インドネシア
Hクラス マレーシア vs シンガポール *マレーシア優勝
Iクラス ベトナム vs マレーシア
Jクラス インドネシア vs マレーシア
Open ベトナム vs マレーシア
女子試合 Aクラス ベトナム vs マレーシア
Bクラス インドネシア vs マレーシア
Cクラス インドネシア vs マレーシア
Dクラス ベトナム vs インドネシア
Eクラス ベトナム vs マレーシア
Fクラス インドネシア vs オランダ *ベトナム優勝
男子演武 Tunggal 1. インドネシア 2. ベトナム 3. ブルネイ
Ganda 1. インドネシア 2. ベトナム 3. マレーシア
Regu 1. インドネシア 2. ベトナム 3. ブルネイ
女子演武 Tunggal 1. インドネシア 2. ベトナム 3. ブルネイ
Ganda 1. インドネシア 2. ベトナム 3. マレーシア
Regu 1. インドネシア 2. ベトナム 3. マレーシア

大会こぼれ話・裏話+武者(?)修行

 行動記録をメモる暇がなかった・・・メモ代わりのtwilogを見返しながらの大会こぼれ話など。

12月9日(木):いざジャカルタへ

 世界大会は12日からだが、審判は大会に先立ち「講習会」が開催されるため、開会式より3日早い12月9日現地到着が求められています。予定表では、10日と11日が審判の講習会。これに間に合わせるため、9日の夜にジャカルタ着、今日は一日移動です。飛行機に乗っている時間も長いけど、経由地シンガポールでの滞在時間がまた中途半端に長い。外に出るほど余裕はなく、かといっていくらチャンギとはいえ3時間潰すのは結構大変。それでも、 15分で強制ログアウトする公衆PCをいじりながら、携帯の海外パケホを試しつつ、ありがたいことに市内無料の公衆電話で長電話をして、なんとか3時間過ごすことができました。持つべきものは友。感謝。多謝。

 ジャカルタに到着後の移動には一抹の不安がありました。なぜなら、出発前に大会事務局宛にメール返信した「到着予定表」フォームはDelivery Error。同フォームを指定番号にファックスしたところ、誰かが受話器を取った気配。あーあ、これで迎えに会えるのかなぁ、と半信半疑です。迎え担当者の携帯番号も知らない。cizmaの携帯番号は国際ローミング代で死にたくないので、教えてないし・・・
 そういえば、いつの間にかVOAカウンターがそのままイミグレになってましたね。パスポートの1ページを丸々ぶっつぶすビザシールを貼らなくなりましたし。わかりやすいように表示すれば、以前より人の流れも(窓口も増えたし)スムーズにいきそうです。閑話休題

 イミグレを過ぎ、トランク受け取り場所に行ってみると、そこにはごっついイラン人の一団がいました。一団、とわかったのはお揃いのチームジャケットを着ていたからです。一瞬、シラットの大会参加者かと思ったのですが、あまりの”ごつさ”に「いや、あれはシラット選手の体型じゃない」と判断し、声をかけませんでした。ズールハーネ体型ですよ。レスラーだよ、あれは。
 そのまま一人で外に出てみると、誰かを迎えに来ている人でいっぱいですが、私を迎えに来てると思しき人は見当たりません。ホテルまで自力で行くにはちょっと遠いんだよね(=お金がかかる)。迎えがいないとは思えないんだけど、どうしようかなぁ、と思案していたところ、イラン人の一団も出てきました。シラット関係じゃないかもしれないけど、ダメ元で声をかけてみよう・・・ってこのイラン人達には英語とインドネシア語が通じない!! あ、「シラット」はわかってくれた。ごついけどシラット選手だったらしい。チームには確実に迎えが来てるはずだから、彼らと一緒に移動すれば移動費は浮くw なんて思っていたら、彼らのお迎え担当者が出てきました。おお、知ってる人だ。これでホテルまで送ってもらえる〜
 聞けば、「中」で私を待っていたとのこと。そういえば、BeachGameのときも迎え担当者となかなか会えなかったことを思い出す・・・そして、この「中」に入れる迎えと「外」にいないといけない迎えの線引きが未だにわからない。「中」って入管よりは手前だけど、税関よりは内側。普通は入れないと思うの。つーか、一律で誰も中に入れなければいいんじゃないかと。

 とにかく無事にホテル到着。この時点で23時半過ぎ。審判は2人一部屋ですが、相部屋の予定となっている東ティモールからの審判はまだ到着していない様子。この時間じゃ、今晩中に来るとも思えません。最初の晩は、ダブルベッドを独り占めさせていただきました。明日は7時にロビー集合、朝から夜までみっちり講習会です。

12月10日(金):審判講習会1

 ホテルの朝食は6時から、ロビー集合は7時。これは6時に食べに行かないと間に合いません。時差2時間の中、睡眠時間を削って早起きです。覚悟を決めれば起きられるのです・・・普段はどうしてこれができないんだろう?
 ちなみに、宿泊先はオープンして2年の新しいホテルなので、設備はまあまあ○。ただ、新しい割りにはコンセントの数が足りないかな。テレビはLGの液晶で、NHKも映ります。バスタブはないけど、お湯の出は良かった。いつ使ってもちゃんとお湯が出たし。朝食バイキングもまあ、いいんじゃないでしょうか。ここぞとばかりに牛肉ソーセージを毎日食べてましたw

 7時にロビー集合、とのことでしたが・・・案の定その時間に人が集まるわけはなく。7時にご飯食べ始めた某国グループがいるくらいです。バスが7時半に出る、と聞きましたが、結局ホテルを出たのは8時。これならもう1時間は寝られたじゃん!!と思ったのはcizmaだけじゃないはず。
 基本的に渋滞となる方向とは逆に向かって走るので、2、30分ほどでホテルから会場に到着します。会場には既に審判講習用のセッティングがされていました。なんと驚いたことに、今回の世界大会から採点が機械化されたのです。構想から6年、やっと完成した機械がこちら。→機械に関する解説はコチラ

Tanding用採点機
採点機

 UNPAD出身の元アイム研修生が仕切ったプロジェクトだそうです。採点の機械化はオリンピック種目に採用されるための必須条件なんだとかなんとか・・・まあ、それはそれでいいんですけどね、シラットの場合、問題は採点方式ではなく組織運営etcが問題じゃないかと。まず、ほぼ全員が初めて機械を触るのに、本番2日前にトータルで8時間程度の講習ってどうなのよ。しかも聞けば、9日に既に講習が始まっていたとか。え、9日着でいいってスケジュールに書いてあったじゃん。なんで先に始めてるのさ!! 人がそれなりに揃ったから始めたのかな?? 「らしい」といえば、それまでですが。

模擬試合(ケーススタディ)で練習、1台に3,4人。
練習

 今日は金曜礼拝の日なので、昼休みがちょっと眺め。そこで講習会会場を抜け出して、同じ敷地に勤める友人に携帯の契約をお願いしました。人にお願いでもしないと、外に出ている暇がなさそうだったので。おかげで、到着翌日からBBが使えるようになりました=ネット復活。ビバ現代社会。でもさすがに回線速度はゆっくりめです。使えるだけで、よしとしますか。

 昼休みに敷地を散歩してみると、既に敷地内は飾りつけが済んでいます。試合会場はまだまだ途中でしたけど、外はほぼばっちり。初日まであと2日ありますけど、この飾りつけはきれいなまま開会式を迎えられるんでしょうか。(・・・もちろん、そんなわけはなく)

イラン選手、ごつい
イランチーム

試合会場はまだ工事中
中は途中

 14時に講習再開、スケジュールどおりに夜までやるのかと思えば、夕方には終了。夕飯は会場で取ることがセッティングされていたので、休憩後にご飯をいただいてからホテルに戻ります。順調な一日でした・・・ってそうじゃなかった!うっかり書き忘れるところだった!!

 前述の通り、cizmaの同室予定は東ティモールからの審判。しかし、大会概要にあるように、東ティモールは審判を含めて全員ドタキャン。そう、結局、一人部屋になってしまったのです。審判は2人で一部屋が原則で、女性審判はシンガポール3、タイ1、ベトナム1、日本1。今日到着したタイはまだチェックインしていません。2人一部屋が原則な上、どうも部屋数が足りなくなっているそうで。想定以上に一人部屋が必要なVIPが来ているらしい。なんでそうなる。
 顔見知りのベテラン審判、今回は大会事務局で運営側ですが、彼が言うには「cizmaはJAPSA会長としてなら一人部屋使える。でも、実は部屋が足りないんだ。審判として、相部屋にしてくれ。シンガポール(5階で今一人)と相部屋か、タイの審判を受け入れるか、決めて。」とのこと。元から誰かと相部屋のつもりで来ているので、相部屋にNOはありませんが、5階に移動するのは面倒。一応、会長待遇を審判待遇へダウングレード(?)したcizmaの要望が通り、cizmaの部屋にタイ審判を受け入れる、ということで話がつきました。シンガポール審判はベトナム審判との相部屋となります。
 そんな結論が出た、と思ったんですがね。シンガポールの審判が「え、私がタイ審判と先に相部屋の約束したわよ」とゴネまして。はぁ?なにその小学生女子みたいなの。めんどくせーなー。どれ、部屋割りを再チェックしますか。あら、ベトナム審判は同じフロア(7階)ですね。同じフロアなら移動の手間が少ない。これは申し訳ないけれど、ベトナム審判にcizmaの部屋に移動してきてもらいましょう。言葉は通じないなりに、彼女との相部屋は問題なく過ごせました。
 あれ、こう書くとなんかなんでもないトラブルだな?結構モメて切れそうだったんだけど、1ヶ月も経つと記憶なんてこんなもんか・・・

12月11日(土):審判講習会2&大会前日!

 今日も朝から講習会。会場に着いてみたら、昨日とは違う場所が講習会場になってました。昨日の会場はなんと結婚式で使うんだそうです。よく結婚式場(披露宴)になっている場所ではあるけれど、なにも大会時期に予約を受けなくてもいいと思うゾ。
 とりあえず案内されたのは、選手団宿泊先となっている会場付属宿泊施設の会議室です。気の毒なことに、ITスタッフ(採点機械担当)も移動を知らされていなかったようで、まだ講習会用のセッティングが終わってません。準備ができるまで、顔見知りを探しておしゃべり。春のベルギーOPENでジュニア部門に出ていた少年を発見しました。17歳になり、シニアの大会に出られるようになったそうです。選手層の厚い東南アジアに比べ、どうしても(日本を含め)それ以外の地域では選手の平均年齢が高めです。これはスタートする年齢が関係しているのでしょう。そんなわけで、17歳という年齢はヨーロッパ選手の中ではダントツに若い!

選手宿泊所も飾り付け万端
宿泊所入り口

食堂もいつになく豪華
食堂

 セッティングが終わった会議室で講習会が始まります。昨日は試合部門用機械を使っての練習でしたが、今日は演武用を使っての練習です。試合部門用機械は手書き採点より(この時点では)「楽になった」と感じましたが、演武用は逆でした。神経を使う箇所が増えたため、慣れるまで大変そうです。

演武用採点機
演武用採点機

 休憩時間に覗いた大会会場は、飾りつけが終了して開会式のリハーサルをしていました。選手たちは「受付」、コーチ陣は「組み合わせ抽選」に忙しい、大会直前の風景が繰り広げられます。

開会式リハーサル
開会式リハ

IDカード用写真撮影中
ID用撮影

 審判講習はまたもや予定にあった夜の部はなく、早めに終わってしまいました。夕飯は昨日の会場が使えないため、お弁当にして持ち帰りです。早く休めるのはいいけれど、先に空き時間がわかっていれば、友達とも会えたのに〜ホテルで暇だ〜〜〜

12月12日(日):開会式そして試合開始

 配布された予定表では9時から12時まで開会式、となってます。3時間もやる開会式って・・・選手が気の毒〜なんて思ってました。がしかし。結局アナウンスされた開始時間は10時です。9時開始、のスケジュールに沿って動いていた参加者(VIP含む)は1時間待ちぼうけとなりました。3時間も開会式やるよりいいけどね。会場はエアコンないし・・・

開始を待つ会場
開会式待ち

パブリックビューイング?
パブリックビューイング

 会場の観客席は、大手のシラットグループ(流派)がそれぞれに決められた席に道着で着席しています。そして若い子が多いからか、待ち時間に飽きたのか、なぜかウェーブが起こってました。9時には始まりませんでしたが、予定の10時にはほぼ遅れることなく、開会式が開始されたような記憶があります。 各国選手団の入場(リハでトレーナー姿だった行進を先導するキレイどころは、本番ではインドネシア各地の民族衣装を着用)、審判団の入場、審判・選手の宣誓、VIP挨拶、と式次第が順調にこなされていました。

唯一人の仏選手はシンガポール在住
フランス選手

28本の国旗が並ぶ
選手団

 VIP挨拶が済み、選手と審判は一旦席に戻ります。その後、スポンサーでもあるBANTENのシラット演武やシラットを取り入れた寸劇が3つ披露されました。Youtubeに映像があったので、貼り付けちゃえ。画像の内容は、最後に披露された寸劇で、黄色い方がいい人たち。筋は 黄色い側の王・王妃・姫が散歩中(?)に悪い奴ら(黒い人)に姫が攫われてしまいます。しかも、王様その場で絶命。最後の言葉を受け、シラット使いの軍隊(?)が戦いを挑み、勝ったり負けたりしながら、最終的にお姫様(緑の服の人)を取り返す、という話でした。BANTENかどこかの歴史をベースにしてるらしいです。

Youtubeよりdhimaz0007さんの動画

 2時間ほどで開会式は終了。昼休憩を挟んで、14時から試合開始(予定)です。

 審判がいないと試合が始まらないので、審判団は基本的に時間厳守。14時の開始に合せて会場入りしたんですが・・・セッティングが終わってない!! 開会式の段階でひとつしか敷いていなかったマットを、大会では2つ使います。通常なら、すぐに終わる作業です。でも、今大会より採点を機械化したため、2つのマット(=アリーナ)それぞれに、5つの審判席+機械配置&配線、管理席に機械モニター&プリンター&配線、観客席エリアにプロジェクター&配線をセットしなければいけないのです。これを4,5人で2時間でやれ(動作確認含む)っていう方が無理だよ。
 気の毒にITスタッフはご飯抜き。しかも、聞くところでは2時間でセッティングするようにその場で言われたらしい。前もって言ってくれてれば、それなりに手際よくできたのかもしれないのに、ホント気の毒。しかも「開始時間が押してるじゃないか」って怒られてる。理不尽だなぁ、と思うけど、これがインドネシアだ、とも思う(苦笑)

アリーナ2は設営完了、アリーナ1を作業中
設営中

 それでもまあ、なんとか試合開始。機械導入のおかげで、1つの試合にかかる時間は短くなった気がします。そして、予定表では夜までやることになってましたが、またもや夕方に終了。「押してる」って怒ってたのに、早く終わるってどういうこと!? 機械導入のおかげかもしれないけど、ホテルの部屋数といい、日程の組み方といい、読みが甘いにもほどがある!! いや、これがインドネシアだ・・・
 こんな初日は最後にマイミクさんとホテルでプチオフ会して終了です。毒吐きさせていただきましたw

12月13日(月):大会は続く

 平日だからでしょうか、昨日の人出が嘘のような静かな大会2日目が始まります。審判からの抗議を受け、今日からは審判の後ろに観客が近寄れないように柵が設置されました。

昨日は観客入り放題でした
柵

午前中ということもあり関係者以外の観客ゼロ
試合してます

 午前中は順調に過ぎていきます。それでも、お昼休憩前の反省会で「携帯を審判席でいじるな」「他の審判のスコアを真似するな(=試合に集中してその場で採点しなさい)」と注意が出されました。これcizmaがいたアリーナ1の話ではありません。アリーナ2に起きていたことがアリーナ1でも起きないように、との注意喚起でした。

 お昼を挟んで、午後はソロ演武の予選から始まります。ペア演武とチーム演武はエントリーが少ないので、そのまま決勝ですが、ソロ演武は決勝に進む6人を選ぶ予選があります。決勝には、エントリーしている人数をくじ引きで2つに分け、それぞれのグループから上位3人が進みます。上位3人に入れるかどうか、これは結構くじ運が作用してきます。今回の男子ソロがそのいい例。
 予選A組はフィリピン、スペイン、東ティモール(不戦敗)、タイ、アメリカ、南アフリカ(途中で型を忘れて失格)。予選B組はマレーシア、ベトナム、ブルネイ、シンガポール、インドネシア、サウジ(組み合わせに絶望したのか棄権)。最終的に決勝に進んだのは予選A組より フィリピン、スペイン、タイ 予選B組より ベトナム、ブルネイ、インドネシア です。 点数で見てみると 予選A組 フィリピン(438) タイ(429) スペイン(410) アメリカ(356)、 予選B組 ベトナム(468) インドネシア(464) ブルネイ(452) マレーシア&シンガポール(447) となります。 B組で予選落ちしたマレーシアとシンガポールの方が、A組首位通過のフィリピンより点数が高いのです。これはルール改善の余地があるんじゃないかな、と個人的に思います。とはいえ、このシステムのおかげでcizma自身、前回大会で「ゆるい」予選組を引き当て、決勝に行けた、という自覚もあるんですよ・・・ 

 男女のソロ演武が終わったら、今日も夜の部なしで終了です。いつ夜の部をやるんだろうったら・・

12月14日(火):そりゃもう大騒ぎ

 今日こそは夜までやるんでしょうか。ところで、今大会初参加のインドが体重オーバーによる選手失格を連発しています。6人中4人が体重オーバーで失格ってどういうことでしょう。マルっとした体型の人たちではありますが、大会に参加するんですから、体重管理しましょうよーーーっでも、コーチ自身が丸々してたもんなぁ、無理だよねぇ。

 そして、アリーナ2はトラブル続き。
 トラブルその1:フィリピンvsウズベキスタン(ウクライナだったかも) 体重別では同じ階級となる選手ですが、身長差が大きい(フィリピン選手の方が小さい)。初参加のウズベキスタン(かウクライナ)はその状態に慣れておらず、しょっちゅう反則を取られ(ターゲットエリア以外を攻撃)、激怒。試合終了後もフィリピン選手を場外まで追っかける。
 トラブルその2:どこか(多分インドネシア)vsイラン 初参加のイラン、いまいち「シラット」をわかってない。やり方もルールも。最終的に主審に向かって中指を立てる暴挙。
 トラブルその3:どこか(多分インドネシア)vsタイ 1ラウンド2分は審判の指導中は時計が進まないまるっと2分。タイの観客(?)が録画してるビデオはそんなわけではないため、時間は刻々と進み、1ラウンド4分やっているように見えてオオモメ。(<このトラブルは伝聞)
 トラブルその4:インドネシアvsベトナム これはもうYoutubeさんの出番でしょう!抗議に入ったのはベトナムシラット協会の会長さん。この場でこの形の抗議は、本来であれば選手が失格になります。とび蹴り決めたのは、州代表レベル(東ジャワ代表のマドゥーラ人らしい)の元ペア演武選手=観客。おかげで会場が騒然となり、当事者ではないアリーナ1も一時試合中断してしまいました。

Youtubeよりusaepさんの動画

 トラブルの結果、イラン、タイ、ベトナムが選手及び審判を引き上げての大会ボイコット。気の毒なのは選手です。夕ご飯の後に開催された夜の部では、タイとベトナムが絡む試合は全て不戦勝となりました。後味悪いったらないわーしかも初めて夜までやってて、眠いし疲れた。

12月15日(水):夜は演武部門決勝

 昨晩のうちに大会運営側がベトナムに詫びを入れたため、ベトナム選手と審判が大会に戻ってきました。こうなると、昨日の夜に不戦敗してしまったベトナム選手だけがワリを喰った感じです。タイは結局戻ってきませんでした。正確には、審判は戻ってきたのですが、選手は会場にすら現れず、どうやら観光に行ったらしいです。イランはまあ、既に全敗していて、大会の運行には影響なし。
 そして、昨日の騒動を受け、アリーナ周りは完全に部外者立ち入り禁止になりました。最初からちゃんとしておけばよかったのにね。

 午前、午後と試合部門、夜の部は演武部門決勝です。演武の審査は、出場選手出身国以外の審判が任命されます。演武の決勝に参加する国は インドネシア ベトナム マレーシア シンガポール ブルネイ フィリピン タイ。つまり、一番試合数をこなしている東南アジア勢審判は使えません。東南アジア勢以外で演武が審査できる(=規定型を覚えている)審判となると、また数が限られ・・・結局cizmaは出ずっぱりでした。男子ソロ、ペア、チーム、女子ソロ、ペア、チームの6クラスを全部やりましたよ!途中、cizmaがトイレに行くために15分休憩を作ってまで、出ずっぱり。

 この日の記憶は、演武を採点した!!! の一言で全て上書きされています。他の記憶があまり残ってない。

 あ、思い出した。この日はインドネシアプンチャック・シラット協会(IPSI)会長主催の晩餐会があったのでした。昨日の夜、寝入りばなを起こされて渡された招待状が、晩餐会のお知らせで。でも、晩餐会の時間と演武決勝の時間が被っている、という全くもって信じがたいスケジュール。各国の協会長たちを招待しての晩餐会なのですが(会長不在で選手のみの国は、代表選手1名を招待)、招待客だって演武の決勝を観たいと思うんだけどな〜 
 cizmaは当然、決勝に参加することを希望します。審判任務を命ぜられなくても、審判席から見ているだけでいろいろ勉強になりますから。でも、ここはインドネシア。正論は人によって違うし、IPSI会長の逆鱗に触れるのはイヤです。下手に逆らったら殺されちゃうw(されません) インドネシアのことはインドネシアに聞け、ということで、インドネシア人審判の信頼できそうな人に相談してみました。「会場にいたい、と言っていいと思う。理由は”日本のシラット発展のために得るものが多いのは会場の方だ”というのはどうだい?」とアドバイスしてくれました。確かに言い方や理由次第で、同じ断るにしても心象が違います。この案を採用し、晩餐会には行かずに会場に残ることを伝え、了承を得られました。そういえばドレスコード:バティック、バティックは主催者が差し上げます、と招待状に書いてありました。それにふさわしい高級料理の晩餐会だったんでしょうか?

晩餐会主催者IPSI会長
主催者

12月16日(木):PERSILAT会議

 今日は選手と審判はOFFデー。明日の決勝に備えて、休息日となっています。試合を控えていない選手や審判は買物や観光にでかけるようです。残念ながら、cizmaは世界プンチャック・シラット連盟(PERSILAT)の年次(?)総会に出席しなければならず、ホテルに缶詰です。終わり次第遊びに行くけど!!

 それにしても、総会にドレスコードがあるとは思わなかったです。チームウェアで軽く朝食に下りたら、他の総会参加者が皆バティック着てるじゃん!! 恐らく、昨夜の晩餐会で支給されたものを着ているのでしょう。cizmaの格好は完全に浮く。ヤバイ。朝食もそこそこに一度部屋に戻り、いくらかマシな格好に着替えました。バティックは持ってないけど、ジーンズにトレーナーより、スカートにシャツの方がなんとかカッコウがつきます。

 会議次第はいつもどおりに PERSILAT活動報告、各国活動報告 の2本柱。開催が久しぶりのため、PERSILATの活動報告だけで6年分。ん?前回大会(2007年)でも聞いた内容が報告されている気がします。内容が若干ダブってるかも・・・日本の活動報告では今回の大会にチームが派遣できなかったことを詫びておきました。アナウンスが遅すぎることも含めて。8月に12月に大会やるよ、って言われて、体調管理&資金準備をできるツワモノがどれだけいると思っているのかと。普通に考えて無理でしょ。大会運営自体も4ヶ月の準備期間にしてはよくやってるけど、世界大会だと思えば準備不足です。開会式のパンフレット、なし。大会公式プログラム、なし。採点機械化初大会だというのに、機械を使った講習が大会の前2日間のみ。なんかこう、いろいろと隙の多い大会です。でも、Tシャツだけはしっかりと大量に作られているのが、インドネシアっぽいかな?

Tシャツ一例 選挙グッズ?
Tシャツ

  ちなみに、大会参加28カ国中、総会に参加していたのは24カ国。ニュージーランドとウクライナは出席者なし、テーブルに国旗もなし。アメリカとサウジはオブザーバー参加(=PERSILAT未加盟団体)、テーブルに国旗なし。PERSILAT未加盟でも選手を派遣できているあたりが、準備期間4ヶ月の「穴」です。asal ramai2(賑やかならいいじゃん)ってことなんでしょう。眠気と戦いながら、お茶休憩とお昼ご飯タイムを乗り切り、夕方15時には総会終了です。
 シラットは文化かスポーツか、あるいは、本場インドネシアでの競技人口の減少などを見るに、シラットと大相撲は置かれた状況に近いものを感じます。そんな中、今回の総会で30年会長を務めたPakEddieが勇退し、IPSI会長PakPerawonoがPERSILATの会長を兼務することになりました。この世代交代は、吉と出るか凶と出るか。少なくとも大吉ではなさそう。

 総会終了後、インドネシアに移住した友達とお出かけ。 滞在期間はまだ2週間ちょっとあるので、その間にまた会えるといいな〜

12月17日(金):決勝そして閉会式

 とうとう大会最終日です。通常の大会であれば、準決勝までは2つアリーナを使い、決勝では1つに統一します。今回は時間短縮のためか、決勝も2つアリーナを使いました。2つのアリーナでそれぞれ2試合やって、その後、メダル授与式(5、6個分)、の繰り返しで、午後16時くらいまでの予定です。

表彰台、わりと簡素
表彰台

メダルはこんなデザイン
メダル

 決勝戦の主審は大変ですが、審判も大変です。会場のボルテージが・・・正直、怖い。柵があるとはいえ、観客は近いし、物が飛んできたらどうしようって本気で思いました。歓声に惑わされないように採点するのも、結構、根性がいります。機械化されて採点が即時に公開されるため、なおさら。

 メダル授与式では、ベトナムorマレーシアの国歌が流れる場面で観客の起立する態度が悪かったり、ベトナム国歌を流すべき場面でその前に流したマレーシア国歌を流してしまったり、ということがありました。それでもまあ、概ねつつがなく決勝も授与式も全て終わり、審判団は一度ホテルに引き揚げます。閉会式を兼ねたサヨナラパーティに出席するため、一汗流してから18時にロビーに集合です。

 着替えてから戻った会場では、既にパーティが始まっていました。審判もそれぞれのチームに戻って、選手をねぎらっています。同胞選手がいないcizmaは会場の知った顔に挨拶回り。

さよならパーティは立食
立食パーティ

 一通り皆がお腹いっぱいになり落ち着いたところで、新PERSILAT会長による閉めの挨拶がありました。オフィシャルなイベントはこれで終了。ご飯も食べたしホテルに戻れるかと思いきや、今度はダンスパーティ開始です。プロの歌手が登場し、まずは定番のポチョポチョから。選手たちは基本的に若くてノリがいいので、フロアは大盛り上がり。ステージに上がって踊り出す人もあり。これはこれでお国柄が出て面白かったですね。
 東南アジア系は似たようなリズムを刻んでますが、インドとパキスタンは動きがボリウッド。しかも、パキスタン選手はノリが一味違うというか、羽目を外したいのか、ネクタイを外してYシャツを脱ぎ捨て、ランニングでYシャツ振り回して拍手喝采を浴びてました。

フロアとステージでノリノリ
フロアとステージ

 選手に比べて平均年齢の高い審判団は、大音量にお疲れモード。ホテルへの送迎バスはなかなか出発しないし、疲れ倍増。ホテルに戻ったのは23時近かったかも。ま、それはともかく、こういう大きなイベントにはチームで参加した方が楽しいね、ってことを実感した大会でした。

12月18日(土):チェックアウト

 相部屋のベトナム審判は朝の3時にチェックアウトしていきました。昨夜のうちに帰宅した人、昨日からチームに合流した人、朝早くチェックアウトした人、なども多く、朝食バイキングには知った顔が減りました。祭りの後、って感じです。昼ごろに友人に迎えに来てもらい、師匠宅に移動しました。cizmaは今日から師匠の家にお世話になります。昨日までの疲れもあるだろうし、明日は日曜だから、練習は月曜からと決まりました。

 流れで車を借りられることになり、明日は日帰りバンドゥンです。2004年の世界大会でお世話になったA先生に師匠と会いに行きます!! バンドゥンに遊びにおいで、と言われてから、一体何年経っているのでしょう。やっと約束を果たせます。約束したときは奥様に紹介していただける、という話だったのですが、2年前に奥様を亡くされてしまい・・・先日の大会会場でお会いした先生は痩せ細っていて・・・約束というものは先延ばしにするべきじゃない、と痛感。

12月19日(日):日帰りバンドゥン

 バンドゥンに行くのは相当久しぶりです。以前行ったのはいつだっけ?多分、90年代のはず・・・街の記憶はほとんどない。途中迷いながらも、A先生のいる場所に辿りつけました。でも、携帯電話がなかったら無理だったな。科学万歳。テクノロジー最高ー。

 A先生の子供クラスに飛び入りし、2004年に習った動きを復習しましたが、覚えているような覚えていないような。録画してきたので、これも自己復習練習に組み込まねばなりません。懇意のレストランでご飯をいただき、A先生のお宅にお邪魔します。お邪魔して何をしたかといえば・・・昼寝。特に、ここまで長距離運転している兄さんに、我々の帰路の安全のためにも昼寝をしてもらわないと!!
 起きたらいきなりのどしゃ降り。雨が止むのを待って、失礼しました。ちょっと遠いけど、また遊びに行こう。でも、ジャカルタにも不義理を重ねてお伺いしていないお宅は沢山あるんだよね。ムムム。

 途中、日が暮れてしまいましたが、事故にも遭わずに無事ジャカルタに戻りました。そして、日本の道路が小さな工夫でいっぱいなことに驚かされました。なによりもまず、夜の車線があんなに見えないものだとは思いませんでした。日本の車線には反射材が混じっていると思われます。街灯の本数も(間隔?)も計算されて置かれてるんじゃないかなぁ。

 借りた車を返し、帰宅したのは23時頃。結構遅くなってしまいました。明日からは練習の日々。

12月20−31日:修行週間

 さて、ここから2週間は特筆することもなく、日々練習。練習中の心情はtwilogにダダ漏れの記録があります・・・ゲフーン。ここへきてのback to the basicなので、いろいろと元から出来ないのに、さらに出来なくて、時間もなくて、距離もあって、なんかこう思考がグルグルして、グルグルしてても意味なくて、なんのために海路郎さん放置して2週間もなにやってんのかな、とかループにはまりつつ、そうじゃないぞという声や励ましに支えられ、なんとかかんとか戻ってまいりました。そんな2週間。途中、オフ会で息抜き。

1月1日(土):帰国へ

午前中に最後の練習。練習というか、先生によるチェック。さて、去年よりよくなっている点はあるでしょうか。来年は今よりよくなっているでしょうか。今年教わったことは肥やしにできているでしょうか。あ、これではまたループに嵌る。

 先生とお別れし、友人に空港まで送ってもらいます。空港が一部きれいになっててビックリしました。トイレといい、なんかこう「ちょっとずつ」キレイにしてるんですね。一気に立て替えるわけにはいかないのかな・・・・空港のモニターに改修予定ビデオが流れてましたが、あの計画は実現するのかしら。

空港チェックインカウンターへの入り口
ジャカルタ

 シンガポールまでの機内食は興味半分でコーシャーを頼んでみました。ムスリムミールと違い、「封」がされています。しかも、「封が開いてないことを確認してください」って離陸前に確認するように求めてきました。コーシャーのルールはよくわかりませんが、そういうもんなんですかね。メインはチキンビリヤニで、ハラールとコーシャー共通でした。

コーシャーミール
コーシャー

 シンガポールでは初めてフルタッチボディチェックをされました。無作為に選んでるとは思えませんが。頭の回りも金属探知機で調べられましたので、ヒジャービストもしくはジルバッバーなムスリマさんは、飛行機に乗る際は安全ピンとか使わない方がいいかも、です。無事に乗ったら後は寝るだけ、起きたら成田!