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- 第15回プンチャック・シラット世界大会 + α -
2012年11月19日から26日までタイのチェン・ライで開催された第15回プンチャック・シラット世界大会に参加してきました。そういえば、前回の第14回大会に続き、今回もウェブサイトがない大会だったなぁ。やっぱり競技者が多い南部を離れ、知名度のない北部でやるから盛り上がりに欠けるんでしょうか・・・?そして、なんやかやと10日のタイ滞在。
大会記録をメインに旅行記なんぞ。
第15回プンチャック・シラット世界大会概要
(1)大会について
(2)大会参加国
(3)大会日程
(4)競技種目
(5)競技結果
大会こぼれ話・裏話&ジャカルタ滞在
11月16日(金):まずはジャカルタへ
11月17日(土):1日だけのジャカルタ
11月18日(日):チェンライへ、そして審判昇級講座1
11月19日(月):審判昇級講座2、明日から世界大会
11月20日(火):開会式、試合とミーティング
11月21日(水):試合試合試合
11月22日(木):午後は演武部門予選
11月23日(金):演武部門決勝とナイトバザール
11月24日(土):準決勝と土曜夜市
11月25日(日):オフ日
11月26日(月):決勝と閉会式と・・・
11月27日(火):マランへ
第15回プンチャック・シラット世界大会(19~26th Nov. 2012)概要
タイで開催されるのは一体何年ぶりなんでしょうか。97年がバンコクだったのかな?今回はミャンマーとの国境が近い北部県(州?)の中心都市チェンライが開催地です。タイ事情に疎いcizmaは聞いたことがありません。水戸とかつくばみたいなところなんでしょうか?
開催地が世界的にマイナー都市なせいか、開催地でシラットがマイナーだからなのか、かなり地味な大会ではありました。でも相変わらずのアクシデントや問題は健在。
参加国数は最終報告書で25、前回より減ってます。開会式会場には「世界の国々からこんにちは」的ポスターがありましたけど、実際にはそんなことはない。過去にチーム派遣実績があるものの、今大会に選手を出していなかったのは スペイン トルコ イラン パキスタン カンボジア ラオス イエメン カザフスタン 東ティモール 韓国 サウジアラビア ニュージーランド 南アフリカ・・・あれ、意外と多い。こうしてみると、少人数でも必ず参加してくるスリナムはすごいな、と改めて思います。あと、今回の個人的サプライズはネパール。「行く行く詐欺」を脱し、選手を2名派遣してきました!!
ヨーロッパ諸国(9) : ベルギー(3)、フランス(2)、ドイツ(2)、オランダ(7)、ロシア(4)、スイス(2)、イギリス(4)、オーストリア(1,T:M)、アゼルバイジャン(5)
東南アジア諸国(8) : インドネシア(14,TGR:M&F)、マレーシア(18,TGR:M&F)、フィリピン(10,TG:M)、シンガポール(14,TGR:M&F)、タイ(18,TR:M&F,G:M)、ベトナム(17,TGR:M&F)、ブルネイ(11,TR:M&F,
G:M)、ミャンマー(10,T:M&F,G:M)
アジア諸国(5) : ウズベキスタン(5)、ウクライナ(3)、ネパール(2)、インド(7)、日本(T:F)
その他(3) : オーストラリア(4)、スリナム(1,T:M)、米(1,T:M)、
*国名の後の()内には 数字=試合部門選手数、T=ソロ演武Tunggal、G=ダブルス演武Ganda、R=チーム演武Regu、M=男子、F=女子 を記載してある。試合と演武にWエントリーしている選手も居るので、トータルした場合の参加者数は延べ人数となる。
大会会場も参加者数もこじんまりとしているので、午前と午後の部のみ設定されています。夜は完全フリー。朝はホテルで朝食、昼はケータリングのお弁当箱(ムスリム仕様)、夜もお弁当箱・・・だったのが途中でホテル食堂に変更になりました。。
基本的な行動パターンは・・・
6:30-8:00 朝食
8:30 ホテルロビー集合、会場へ
9:00-12:00 午前の部開始(予定)
12:00-14:00 昼食
14:00-18:00 午後の部開始(予定)
夕食、就寝
審判団はなぜか宿泊先が2箇所に別れてました。選手たちのホテルとは徒歩で移動できる距離。
日付 | イベント |
19(月) | 選手登録 / メディカルチェック / 体重測定 テクニカルミーティング・組合抽選 |
20(火) | 開会式、試合部門1回戦 |
21(水) | 試合部門2回戦 |
22(木) | 試合部門3回戦、演武部門予選 |
23(金) | 演武部門決勝 |
24(土) | 試合部門準決勝 |
25(日) | オフ |
26(月) | 試合部門決勝、閉会式 |
プンチャック・シラットの試合には大きく分けて、体重別の階級で打ち合う試合部門と規定の型を競う演武部門とがある。今 大会では以下のクラス/型でそれぞれの技が競われた。
1.男子試合部門(Tanding) Aクラス - 45kg以上50kg未満 Bクラス - 50kg以上55kg未満 Cクラス - 55kg以上60kg未満 Dクラス - 60kg以上65kg未満 Eクラス - 65kg以上70kg未満 Fクラス - 70kg以上75kg未満 Gクラス - 75kg以上80kg未満 Hクラス - 80kg以上85kg未満 Iクラス - 85kg以上90kg未満 Jクラス - 90kg以上95kg未満 Open - 95kg以上110kg未満 |
2.女子試合部門(Tanding) Aクラス - 45kg以上50kg未満 Bクラス - 50kg以上55kg未満 Cクラス - 55kg以上60kg未満 Dクラス - 60kg以上65kg未満 Eクラス - 65kg以上70kg未満 Fクラス - 70kg以上75kg未満 Open - 75kg以上90kg未満 |
3.男子演武部門(Seni) Tunggal (ソロ) Ganda (ダブルス) Regu (3人チーム) |
4.女子演武部門(Seni) Tunggal (ソロ) Ganda (ダブルス) Regu (3人チーム) |
男子MVPはシンガポール、女子MVPはマレーシアの選手が獲得しました。最多メダル獲得国は相変わらずの演武貯金(金メダル6個)でインドネシア。でも金メダル総数は前回より一つ減らして9、次点のベトナムとの差は1つ。全くもって試合部門の復活が見られません。開催地のタイは試合部門で金1銀1銅8&演武部門で銀1銅1を獲得しています。
部門 | 種目 | 結果 |
男子試合 | Aクラス | 1.ベトナム 2.マレーシア 3.インドネシア、シンガポール |
Bクラス | 1.インドネシア 2.マレーシア 3.ミャンマー、ベトナム |
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Cクラス | 1.ベトナム 2.フィリピン 3.インドネシア、シンガポール |
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Dクラス | 1.タイ 2.インドネシア 3.ベトナム、マレーシア |
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Eクラス | 1.マレーシア 2.ベトナム 3.インドネシア、シンガポール |
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Fクラス | 1.ベトナム 2.インドネシア 3. タイ、ブルネイ |
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Gクラス | 1.ベトナム 2.タイ 3.マレーシア、インドネシア |
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Hクラス | 1.ベトナム 2.インドネシア 3オーストリア、マレーシア |
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Iクラス | 1.シンガポール 2.ベトナム 3.オランダ、ミャンマー |
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Jクラス | 1.マレーシア 2.オランダ 3.ベトナム、タイ | |
Open | 1.ベトナム 2.マレーシア 3.タイ、ウクライナ | |
女子試合 | Aクラス | 1.インドネシア 2.マレーシア 3.タイ、ブルネイ |
Bクラス | 1.ベトナム 2.マレーシア 3.ブルネイ、シンガポール |
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Cクラス | 1.インドネシア 2.フィリピン 3.シンガポール、タイ |
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Dクラス | 1.ベトナム 2.インドネシア 3.タイ、シンガポール |
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Eクラス | 1.マレーシア 2.ベトナム 3.インドネシア、ミャンマー |
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Fクラス | 1.ミャンマー 2.オランダ 3.タイ、マレーシア |
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Open | 1.マレーシア 2.ベトナム 3.タイ | |
男子演武 | Tunggal | 1. インドネシア 2. タイ 3.シンガポール |
Ganda | 1. インドネシア 2. ベトナム 3. マレーシア | |
Regu | 1. インドネシア 2. ベトナム 3. ブルネイ | |
女子演武 | Tunggal | 1. インドネシア 2. ベトナム 3. タイ |
Ganda | 1. インドネシア 2. ベトナム 3. マレーシア | |
Regu | 1. インドネシア 2. ベトナム 3. ブルネイ |
大会こぼれ話・裏話
大会が開催されるのはタイのチェンライです。チェンライに行くにはまず、バンコクに行かなければなりません。大会が始まるのは19日、18日に到着していれば大丈夫です(本当は大丈夫じゃないけど。詳細は後述)。折角東南アジアエリアまで行くので、週末はジャカルタで過ごすルートを取りました。週末海外、なんてセレブっぽい。いや、ジャカルタ経由してもバンコク単純往復でもそんなに価格差がないんです。それなら、師匠の顔を見てから、そして少しでも練習してから、と思うのが人情ではありませんか。
諸々検討した結果、今回の利用航空会社はANAです。そして、もはや恒例のネタと化しているムスリムミールを注文・・・結果は予想通りです。2011年11月、2012年5月、そして2012年11月、と一品も変化なし。味も不味いままです。もーANAはアホだ。ROYALもアホだ。つーかもう、ムスリムミールは提携してるAirAsiaに売ってもらえば?不味いプレート食べるより、こなれたお弁当箱の方が全然マシ。
出発が遅れたので到着も同程度遅れました。それでもそんなに遅くなる前に師匠宅に到着。この日は練習するつもりではなかったんですけど、なんか結局22時過ぎから練習しちゃいました。うん、いい時間の使い方だ。
前日の夜、床に就くのが遅かったため、起床も遅めの6時。日本だったら早起きだと感じる時間だけれど、インドネシアだと6時には社会が動いてるので、あまり早起きな気がしません。昼、午後、夜と前回習ったことの復習とか修正とか反復とかで一日が終わります。明日はそれこそ夜明け前に家を出て、空港に向わなければなりません。でも、早寝はできませんでした。なんか時間が勿体なくて・・・
バンコクからの帰国便がANA利用、つまりスワンナプーム空港発着です。それに合わせてバンコクーチェンライはドンムアン空港発着のLCCではなく、タイ航空を手配してあります。こうなるとジャカルタからバンコクに行く便は相当限定されてしまい、ガルーダかタイガーということに。予算の都合でタイガーを選択したはいいものの、タイガーは一体ジャカルタのどのターミナルから出発するのやら。
チケットにはT2タイガー、T3マンダラ、と書いてあります。よくわかんないっす。車を出してくれた友人は「前回、シンガポールに帰った兄弟子はタイガー航空でT2だったからT2でしょ」と、T2に向います。どのゲートが近いのかわかりづらいので、車から降りずに警備員さんに確認したところ、「シンガポール行きはT2だけど、バンコク行きのタイガーはT3だよ」と。うわ。時間に余裕があって助かったー
待ち時間が長いので、空港を探索です。まずはご飯。そして、帰国時に10時間はあるトランジットで外に出るためには、トランクを預けなければいけないので、預け場所の下見。1日1個100バーツということなので、100バーツはあるように現金を調整しておかなければ。
空港には思ったよりインド亜大陸系の外見を持つ人が多いです。住んでる&観光なんでしょうね。そういえば、ルピアをバーツに両替できないのはどうすればいいんでしょう。インドネシアの貨幣価値って・・・日本ですら両替できるのにーーーー
出発時間が近づいてきたのでゲートに行ったところ、ミャンマーチームが同便でした。他にもスリナムチームとスイスの選手が同じ便。チェンライに行く便には限りがあるので、誰かと一緒にはなるだろうと思ってましたけど、予想より同便の人が少ないかな。
飛行機の席は見た目がバングラっぽい人と隣り合わせの2人席エリア。最早、ネタ探しなのでタイ国内線でもムスリムミールを注文してありました。さて、軽食を配りにきた客室乗務員のお姉さん、私のムスリムミールを隣の彼に渡します。横取りする私。「これはムスリムミールですよ」とお姉さん。「知ってますよ、私が注文したんだから」と私。見た目で判断したのかなー?見た目だったらcizmaだってムスリムっぽい外見なはずなんだけど。箱には座席番号も書いてあるのに。席、入れ替わってないのに!! 謎だ・・・
チェンライに到着すると、「シラット世界大会」と紙を掲げた係が待ってました。事務局の用意した車に乗り、選手たちは選手宿泊先へ、cizmaは審判昇級講座会場に向います。そう、実は今大会に先立ち開催されるのは「審判講習」ではなく「昇級講座」だったのです。昇級講座は15日から開催されています・・・完全なる遅刻。出遅れ。もちろん、許可は得てます。
まず、審判昇級講座開催通知の到着が飛行機手配の後だった。講座のために師匠宅立寄りを諦めて更に変更手数料等を支払うのと、遅刻を交渉するのなら、断然後者。なぜなら、cizmaには遅刻する大義名分があるからです。前回、昇級講座を受講したのは2008年。このときは3級から2級に昇級できませんでした。決して成績の問題ではなく、規定で3級取得後の年数が足りなかったのです。しかし、講座開催通知にその旨がきちんと通知されておらず、他の国からの参加者が不満をぶつけます。最終的に当時の講座責任者との間で「本講座の最終筆記試験を受験することは不許可。ただし、その他の講座受講成績(体力テストなど)を保管し、取得年数をクリアした後に開催される講座において、最終筆記試験のみ受験すればよい。」との約束になりました。文書で残してはいませんが、このことはcizma一人ではなく、複数の国から複数の参加者が聞いています。
これを元に今回、「遅れるけれど、筆記試験に間に合うように到着する。筆記試験の成績が規定を満たせば、昇級資格があるはずだ。」と交渉しました。PERSILATの事務局とはそれで話がついた、と判断しての18日チェンライ到着です。。
がしかし、会場についたら今回の講座責任者に「cizma、お前なに今頃来てるんだよ!?」って言われてしまいましたよ・・・え、ちょ、だって最初っから言ってるじゃん、遅れるって。それでいいって話になってるし(多分)。まあ、結局「あ、上と交渉済みなの?OKもらってるんだな?じゃあいいぞ」と非常にインドネシア的なことになりました。
とはいえ、明らかに遅れて来た上、実際は筆記試験受験のみでいいとはいえ、他の試験(体力テストなど)や実習にまるで参加しないのはあまりにも体裁が悪い(座学は全て終了してる)。自分の2008年の成績に自信はあるけれど、「日本から一人しか参加者が居ないから特別扱い」と思われないように、そして、昇級に関して瑕疵のないようにしたいのも事実。
この思いから到着して早々、普段着のままRegu(採点実習のモデル)をやりました。さらに、実施日に参加できなかったメンバーのために追加でこの日に行われた体力テスト、2.5キロ走にも参加しました。夜明け前から起きて飛行機で移動しているというのに(しかも普段着で)、参加者6名の中でトはトップでゴール。記録を聞けば、全参加者の中でも5本の指に入る10分台。これで体力テストに文句はつけさせませんよ。あとは明日の筆記&Tunggal&Regu試験です。
講座に参加している審判は宿泊先が2箇所に分かれてました。cizmaが泊まっていたのはMoon&Sun Hotel。用意されたのは600バーツの部屋。相部屋だから300バーツ相当。そして、講座参加には150米ドル必要です。講座は5日間なので、1日30ドル≒920バーツ。朝食はホテルについていて、昼食夕食がお弁当支給。お茶菓子と水が用意されたりはしてたけど、な、なんか割高じゃないか?cizmaは遅れて2日間だけの参加だったけど、150ドル満額の支払い。まあ、宿泊先やケータリング弁当は人数分その都度注文するわけではないだろうから、仕方のない話ではある。円高でよかった・・・
さて、今日の午前の予定は「筆記試験」です。講座開催通知の文面からは今回の講座は来年から実施される新ルールをメインにしてあるように読み取れました。しかし、実際には明日から行われる大会で使われる「現行ルール」を基本とした内容だったようです。まあそりゃそうですよね。今回の講座修了生から世界大会の審判を選抜するというのに、講座内容と世界大会で使われるルールが違っていては大混乱してしまいます。とはいえ、新ルールで試験を受けるのであろう、と準備をしていたcizmaは肩透かしを喰らった格好です。
試験問題は英語で記載されていますが、回答は採点者が理解できる英語・インドネシア語・マレー語の使用が認められています。しかし、いずれの言語も「書く」となると辞書が欲しいところ。これは試験責任者に交渉してみる価値あり、でしょう。試験責任者は以前から知り合いのシンガポーリアン。聞いてみたところ、「辞書か・・・今回の試験は”持込不可”とはアナウンスしていないんだ。意味、わかるだろ?」 なんですか、そのルール。
実際の試験開始に先立ち諸注意が伝えられました。でも、その中で「辞書」も「持ち込み可」に関してもなにも言いません。「本を閉じろ」とも「筆記用具以外をしまえ」とも言いませんが、はっきりさせてほしいところ。ここは意を決して受講者の前で質問です。「英語もインドネシア語もネイティブじゃないので、辞書を使いたいのですがいいでしょうか?」
回答は・・・「本を閉じろ、とは言っていない。まあ、そういうことだ。その代わり、試験時間はきっちり守ってもらうし、今までよりも短めに設定してある。では、始め」
ルールブックを参照していいとなると、回答文がやたらめったら長くなります。パソコン入力ばかりの昨今、あんなに字を書くことはありません。腱鞘炎になるんじゃないかという量。アー疲れた。
午後は筆記試験を行った会議室から世界大会会場でもある施設に移動し、TunggalとReguの試験です。これも体力テスト同様、cizmaは参加する必要が本来はありません。でも、やります。やりますよーやりましたよー
試験終了後、ちょうど会場に練習に来ていたインドネシアチームの協力を得て、演武部門の採点実習(練習)を行いました。本番の衣装だと目立ちませんが、スポーツウェアだと演武の選手も試合の選手に負けないくらい、あるいはそれ以上のマッチョなのがよくわかります。あの筋肉が動きのキレの秘訣でもあるんでしょうね。
夜は昇級合否発表と講座修了式と世界大会審判任命発表です。講座参加者のうち、不合格となったのはアゼルバイジャンの2名。確かに彼らはよくわかってない感を醸し出していました。cizmaは前回参加の成績と今回の筆記試験成績をもって、無事国際審判2級に合格しました。でも、教室(机上)で合格しても実際にできなければ意味ないです。そして、自分は「できない」ことを自覚しています。圧倒的に経験値が低いんです・・・これをなんとかしたくてヨーロッパくんだりまで行ったりしてますけど、なかなか難しいですね。それでも、合格した以上は2級に恥じないようにがんばります。
講座修了式は各級(国内から国際3級へ、国際3級から2級へ、国際2級から1級へ)昇級者から1名を選んで審判証明書を授与する、というもの。成績優秀者の発表はなかったのが意外です。授与式の後、昇級合格者の中から成績と出身国の人数バランスなどを加味し、明日からの世界大会で審判を務めるメンバーが発表されました。ここで発表された30人+審判長4名+競技委員長4名+技術委員2名の計40名が、明日からの世界大会における「審判チーム」です。
いよいよ今日から世界大会が開催されます。審判チームは開会式会場に一番乗りでした。なんであんな早く着いたんだ。おかげで写真撮り放題だったけど。
ぼちぼちと人が集まり始め、そこでチェンライ入りが別ルートだった日本チーム選手にも会うことができました。他にも顔見知りのオランダ選手やインドネシア選手たちと立ち話や、知り合いに挨拶回りなんぞ。
開始予定時間になってもまだ始まりません。どうやら、VIPである某国大統領選候補者到着待ちのようです。選手たちは会場でなにか入場したり盛り上がったりしてたようですが、審判チームは会場玄関でVIPお出迎えのために待機です。待つこと・・・どれくらいだったかな。飽きた頃に黒塗り車がピロティに登場、中から見覚えのあるVIPが出てきました。これで開会式が名実共に始まります。
開会式はVIP挨拶>ゴングを鳴らして開会の合図>審判宣誓&選手宣誓>クリスを使った演武(土俵開きのようなもの)>審判長(=競技委員長)へのクリス貸与、といったお馴染みの流れで進みます。一連のお約束が終わった後、出し物として仏教系らしき太鼓と踊り、ムエタイ、剣舞、コメディ剣舞が披露されました。
2時間の休憩の後、午後は試合会場に移動していよいよ試合開始です。この日は試合以外にもPERSILATミーティングか開催されました。通常であれば、大会開催期間中のオフ日(今回であれば25日)に行われるものです。しかし、昨夜遅く「PERSILATミーティングを20日の16時から開催する」とのメールが届きました。このミーティングのために、開会式の開始時間を当初予定されていた20時(!)から9時に変更までしています。それなのに、組み合わせ抽選が終わってみれば試合は14時から18時に設定されていました。どうも横の連絡がうまくいっていなかったようで、完全なるバッティングです。PERSILATミーティングの時間を夜にすればいいようなものですが、その時間には会長である某国大統領選候補者が自家用ジェットで帰国してしまうらしい。それならもういっそ、PERSILATミーティングを中止でいいんじゃないかとも思いますが、そうもいかないということで結局バッティングしたまま、試合を抜けて参加することになりました。(ミーティングの内容や感想については、ブログに書いてるので割愛)
ミーティングのために会場を離れたりしたので、この日の試合内容についてはあまり覚えていない。とくにアクシデントや驚きの内容もなく、つつがなく終わったんだと思います。夕飯はホテルの部屋で支給されたお弁当をモグモグと。まだまだ続く長丁場ですが、今大会は夜の部がないので洗濯したりする時間が取れるのはありがたい。
今日は午前の部も午後の部も試合。ずーっと試合。ただひたすら試合。
メモを見返すに、この日の記憶に残る試合は・・・
1) タイ 対 ベトナム
当然、ベトナムが格上。点差も大分開いてベトナムの勝利確定に見えていた第3ラウンド、なんとなんとベトナムがスタミナ切れを起こす。そこへ怒涛のタイによる攻撃。なんとかTKOを免れ(2回もカウントを取られた)、第1,2ラウンドの貯金でベトナムが逃げ勝った。そして逃げ方もうまいんだよね。サプアンのかけ逃げも注意されたら当てにくるし、さすがです。当然、おもしろくないのがタイのサポーター。試合後にペットボトルが飛んできましたよ。タイ側責任者激怒。
2) インドネシア 対 インド
これはインドネシアが手心加えないとインドの選手が死んじゃう的組み合わせ。審判にも事前に「バランス悪いと思ったら、直ぐに試合をレフェリーストップで終わらせろ」との指示が出ていました。さて、そんなインド選手はどんな人かと思いきや・・・えっらい若い。成人部門のみで構成される世界大会の年齢規定は17歳以上40歳以下です。若く見える17歳にしては・・・見た目が少年すぎる。慌てて事務局が確認したところ、なんとなんとの14歳。年齢不適格で失格となりました。ってなんで最初の段階でわかんないのかな。提出書類は17歳だったんだろうか?
3) ヨーロッパ勢躍進
競技人口もそれなりにいて、ベテラン勢も多いヨーロッパ。今大会はヨーロッパ勢の躍進が見られた大会でした。東南アジア勢との差を縮めてきた、とでも言うのだろうか。この日はオランダのベテランがマレーシアに勝ち。ベルギーのベテランがミャンマーに惜敗。オランダの友人はブルネイにほんの少しの差で負けてしまった。あと1発蹴りが入っていれば勝ててた試合、本当に惜しい。
4) ベトナム 対 タイ その2
2ラウンド目までタイが勝ってました。大差がつくほどではないけれど、タイが勝つかな、というスコアだったのが・・・ベトナムは地力が上回ってたんでしょう、第3ラウンドで二桁ポイントを獲得。結果、ベトナムの勝利となりました。あのスコアと試合の流れだと、タイの選手にとっては目の前で勝利がすり抜けていった感じだったのではないでしょうか。
5) ウズベキスタン 対 ベトナム
インド同様、「バランス悪いと思ったら迷わずレフェリーストップ」指示が出ていた試合。ウズベキスタンが意外と善戦してました。ベトナムから沢山のポイントを取ることはできなかったけれど、ベトナムに点を取られることもありませんでした。レフェリーストップなんて不必要。ウズベキスタンは確か、ほぼ全員をテコンドーからひっぱて来たはずです。2年でここまで成長するなら、将来的には(シラットらしさはともかく)当たりたくない相手になるかもしれません。
今日の午前は試合の続き、午後は演武部門の予選です。そしてcizmaは昨日からお腹の調子が最悪。お弁当が辛いのか、疲れがきてるのか、水が合わないのか・・・とにかくこれでは採点に集中できません。幸い、大会会場には英語の通じる医務班がいます。症状を訴えると薬と脱水症状予防に粉末飲み物(ポカリの粉みたいなの)をくれました。海外の薬は強いのが多いので、効きすぎて逆の症状になるのも怖いけど、とりあえず処方された薬を処方どおりに飲んでみます。
午前に行われた試合でも、昨日同様ヨーロッパ勢の活躍が見られました。オランダがシンガポールに勝利し、イギリスがタイに惜敗。継続は力になるんですね。うかうかしてると「東南アジア勢に当たるより、ヨーロッパ勢に当たった方がマシ」という状況でもなくなりそうです。
午後は演武部門の予選が行われます。当初のスケジュール表では大会初日は20時から開会式、その後に演武部門予選となっていました。一体寝られるのは何時になるんだ、というスケジュールです。でも結局、開会式は午前に行われ、演武の予選は今日の午後行われることが19日、つまり大会前日にアナウンスされました。今回はこういうスケジュール変更が多かったような気がします。
午前の試合が終わった後、午後の演武予選まで時間がありました。お昼を一緒に食べていたブルネイ審判に誘われたので、ちょっと外に出てみます。彼はタイ審判に通訳を頼み、壊れた携帯の部品を探しに行くそうです。タイ審判も外に出る用事があるとのことで、ついでなんでしょう。
大会会場はチェンライ大学のスポーツ施設を借りて行われていました。そして大学施設はものすごく広い、つまり学生数が多い。こうなると当然ながら大学前には門前町ならぬ学生御用達商店街が出来上がってます。その中にあるコピー・製本・ネット屋(kinko'sみたいなもん)にタイ審判は用があるそうです。
待っている間に覗いた隣のネットカフェ(カフェ機能はないかも)では、ブリーチ読んでる画面が見えました。携帯屋にはサンリオやone piece関係も多かったな。吹いたのはニコ動通販で売ってたtwitter発の「にゃんこ型イヤホンジャック」のパチもんがあったこと。出来は悪いし、値段も本家に比べて激安というわけでもなかったけど、世界に広がる日本のサブカルを痛感した次第。
午後の演武予選は・・・残念ながら日本選手は予選突破はなりませんでしたが、まあ順当な結果で決勝進出者が決まったと言っていいでしょう。昨年のSEAゲームで見たちょっと「あちゃー」な演武をしていたミャンマー選手が、この1年間で大きく成長していて目を見張りました。コーチがきちんとしていて、かつ、きちんと練習することであんなに変わるものなのですね。ミャンマーは2013年のSEAゲーム開催国なので気合が入っている、ということもあるのでしょう。試合部門選手の躍進や演武部門選手の成長をみると、SEAゲームの結果が今から楽しみです。なかなか行ける国じゃないし、SEAゲーム観戦に行こうかな、と思ってしまいました。
この日から夕飯はお弁当箱ではなく、選手たちが宿泊しているホテルでのビュッフェになりました。お弁当箱に苦情が出たみたいです。確かに、ホテルの部屋で一人食べるお弁当は味気ない。メニューが変わらなくても、テーブルで人と話しながら食べる方がずっと美味しいし、楽しいものです。
食事の後、審判の服装のまま数名はナイトバザールに行きましたが、cizmaはおとなしく帰ります。でも、寝るには早い時間だったので、シャワーを浴びてからホテル周辺の散歩に出かけました。意外と近い距離にモールがあったのですが、こちらは残念ながら閉店時間を過ぎていました。セブンイレブンを物色し戻る道すがら、ホテル隣のカフェにインドネシアIT班とシンガポール審判、タイ審判が居るのを見つけて、合流。いろいろと面白い話が聞けましたけど、面白いだけにオフレコ。
明日は一日演武の決勝が行われます。審判としての出番が多い日になる予感。
今日は午前も午後も演武部門の決勝です。結論から言えばTunggal Ganda Regu、全てのカテゴリーで男女共にインドネシアが金を獲得しました。男子ソロ以外は採点に入りましたが、正直なところインドネシアとベトナムのTunggalとReguは今までになく差はわずかだったと思います。その証拠に、Regu女子は同点でした。総合点が同点であった場合、技術点の差をみます。こちらも同点。次に、芸術点の差をみます。これも同点。次に勝敗を決める条件として設定されているのは、規定時間の3分間にどれだけ「近い」かという部分。
演武は3分で行うことが求められる競技で、プラスマイナス5秒以上からは減点対象となります。つまり、2分57秒あるいは3分2秒で演武を終えた場合は減点となりませんが、2分54秒あるいは3分8秒で演武を終えると減点対象となるのです。当然、インドネシアもベトナムも減点対象外の演武時間で競技を終えています。では実際に何分何秒で演武をしたかと言えば、ベトナムが2分59秒。対するインドネシアは3分ジャスト。インドネシアの方が規定の3分に「近い」ということになり、インドネシアの勝利が確定しました。こういうことってあるんですね。
演武は試合のように時間が延びることはなく、夜の自由時間が多めに取れました。インドネシアIT班とでかける約束をしたのですが、部屋にもロビーにも居ません。仕方ないから散歩でも、と思いましたが、結局、ちょうど出かけるところだったブルネイ審判たちと一緒にナイトバザールへ行くことにしました。
それにしても、ホテルも大会会場も辺鄙なところにあるものだから、ナイトバザールに行くまでチェンライが大きな街だとはまったく気づきませんでしたよ。こんなに観光客がいる街だとも思わなかったわー・・・そして、タイではムスリムがマイノリティとはいえ日本のような「超」がつくマイノリティーでも、またコミュニティの新参者でもないことを実感しました。北部地域でこう感じるのですから、南部や大都市バンコクに行けばもっと印象は変わるんでしょう。
お土産の定番Tシャツ類からよくわからない日常品まで、まあいろいろありました。象モチーフは本当に沢山ありました。あとは石と象牙。象牙関係ってお土産で買っても、日本には持ち込み禁止じゃなかったかな?どうなんだろう。
まだ買物をしたりないブルネイ審判たちと別れ、途中で合流したマレーシア審判たちとホテルに戻りました。トゥクトゥクに4人乗りで。まあ、4人はアリか。後日、5人乗りもしたしな・・・
今日は準決勝のみ。勝てばファイナリスト負けたら銅メダル、という試合は、ある意味決勝よりも殺気立ってたりします。そんな試合ばかりが一日中続いたので、メモをあまり取っていない&メモをみてもイマイチ思い出せない。
メモを見ると「タイ対マレーシアでタイが判定不服(抗議)手続き」とあります。どんな内容だったっけ・・・思い出せない。覚えているのは、オランダが男女1名ずつ計2名のファイナリストを輩出したということ。どちらも長く見る顔のベテラン選手です。女子はマレーシアに勝っての決勝進出ですから、応援団の喜びようはすごかったです。あ、もうひとつ大騒ぎがあった。cizmaが居た側ではないので、詳細はわからないけれど、女子の試合でインドネシアに負けたマレーシア選手がトイレで手を切ったらしい。幸い、大事には至らなかった様子。でも、まさかそんな事態が身近で発生するとは思っても見ませんでしたよ。
準決勝の一日が終わり、夜は再び「ナイトバザール」へ。でも今日のナイトバザールは「土曜夜」にのみ開催される、大きめの特別なもの。審判チームでお出かけです。
着いてみれば、確かに昨日のナイトバザールより規模が大きい。あと、食べ物屋台も多い。そしてその中にドリアン発見!!! ひゃっほーーーーーうい!!! 40バーツで房2つ分。満腹満足。これぞ東南アジアの醍醐味。でも、ドリアンを食べながらタラタラ歩いてたら、チームとはぐれた。どうしようかなー、帰り道はわかるけど、とドリアンを食べつつ周囲を見渡せば、今度はオランダチームと遭遇。ドリアンをおすそ分けしようとしたのに、誰も手を出さなかった。美味しいのに。そして、オランダチームも人ごみで仲間を見失ったらしい。cizma一人なら一緒に回る?と言われて歩きかけたら、マレーシア審判と再会。宿泊先も一緒ですし審判は審判同士という感じで、オランダチームと別れてマレーシア審判に合流しました。
物販と食事屋台の他にも、タイマッサージのテントの一角がありました。さきほどはぐれた審判たちがほぼ全員、ここに居ました。審判チームは選手に比べて年齢層が高いので、こういうことになるんでしょう。当然、cizmaもマレーシア審判たちと一緒に1時間のリラックスタイム。のんびり座ってマッサージを受けている間に、突然バケツをひっくり返したような雨が降り出しました。雨期は終わったと思っていたのですけどね。マッサージが終わる頃には止んだので濡れずにすみましたが、バザール観光はお終いとなりました。
PERSILAT会議が大会2日目に行われたため、この日は完全オフ!審判は揃って観光に行く予定・・・のはずが。前々日になって突然、「PERSILAT会長(=某国大統領候補)が各国協会会長と審判代表を昼食会にご招待します。各国1名限定でご参加ください。」とのお達し。昼食会に行っていては、観光ができないのは自明。昼食会に出たところで特に楽しい話があるわけでなし・・・うう、サボりたい。観光に行きたい。
と心の底から思いましたし、一時期は本気でサボろうと思いましたが、ぐっと堪えて「義務を果たすのが先」と割り切りました。実際問題として自分は会長という名の雑用係であって、役職によるうまい汁(?)を吸った覚えはなに一つないけれど、サボって観光に行ったらそれはそれでなにか後ろめたい気分になりそうだな、と。
観光に出かけた審判たちを見送り、昼食会の集合時間まで個人で観光することにしました。徒歩で広場を見学>ホテルに戻りトゥクトゥクを呼んでもらう>1時間以内に観光してホテルに戻れる距離でお寺を観光 というルート。
昼食会は市内最高級ホテル最上階での豪勢なバイキング。お料理は美味しかったけど、友人たちと和気藹々と囲む屋台の方が、ずっと居心地がいい(苦笑) 昼食会は2時間ほどで終了し、観光に行き損ねた審判を中心とする昼食会参加者で国境の町マイサイまでGO!です。
国境まで行ったものの中に入る(国境を越える)には500バーツ必要、と言われ、誰も中には入りませんでした。いわゆるVOAなんでしょうけど、2時間のミャンマー滞在のために500バーツはねえ、という気分。国境を越えることは叶いませんんでしたが、2時間過ごしたマイサイの商店街(?)もなかなか楽しめました。
皆それなりにお土産を購入し、帰路に着きます。意外と疲れた一日ですが、大会も残すところ明日の最終日のみ。明日を乗り切れば、冬の日本で日常が待っています。
いよいよ今日で最終日。ファイナリストの内訳はベトナム12・マレーシア9・インドネシア7・タイ/フィリピン/オランダ2・ミャンマー/シンガポール1で、ベトナムが圧倒的。インドネシアはファイナリストの数でマレーシアに抜かれました。この調子だと、演武部門が開催されないケースでは金メダル数でマレーシアの後塵を拝する日も遠くないでしょうね。オランダが男女1名ずつファイナリストを輩出したのは喜ばしい傾向です。残念ながらどちらも負けてはしまいましたが、ミャンマーと対戦した試合はポイントが僅差。今後、ヨーロッパ勢はこの「ファイナリスト輩出」に勢いを得て、レベルアップしてくることが予想されます。益々日本との差が開いちゃうなぁ・・・
決勝戦はそれぞれ見ごたえのあるものも多かったのですが、後味の悪い試合も2つありました。
一つはベトナム対インドネシア。試合は僅差で進むシーソーゲーム、どっちが勝ってもおかしくはない。そして、こういう僅差の試合ではポイントの獲得と合わせて、レフェリーが出す「減点」で試合の趨勢が決まることがあります。この試合がまさにそう。レフェリーはベテランのフィリピン審判で問題なく捌いていました。彼が出した「減点」は規定どおりのもので、おかしな点はなにもありません。しかし、これに納得がいかないのがインドネシア。それはそうでしょう、この減点のおかげで振り子がベトナムに傾いていくのが明らかです。おかげで外野のうるさいことうるさいこと。
それでも当然、試合を続行します。そして残念なことに、というかタイミングの悪いことに、次の減点が出るタイミングと最終ラウンドの2分が終わるタイミングがほぼ同時になってしまいました。つまり、表示された時計は2分。しかし、2分と同時に鳴らされるべきゴングは未だ。なぜなら、その一瞬前にレフェリーの「ティ(ストップ)」が入り、時計が止まっているからです。恐らく、レフェリーがコマンドを出したのは1分59秒とかだったのでしょう。時計はそのタイミングで止められますが、コマンドと同時に止まるわけではなくそこに一瞬の差がありますから、その時間差で表示は2分を指してしまったと思われます。しかもここでインドネシア側に減点。それまでなんとかインドネシア側が勝てそうだったポイントが減点され、ベトナムに勝利がもたらされそうです(旗判定で3-2かな?) 蜂の巣をつついたよう、とはこのこと。ラウンド終了後の減点は無効だの、なんだの。実際にはラウンド終了後ではないのに。さらに、ゴングがまだ鳴っていないので試合を再開しようとしたら、それにも抗議。試合はもう終わっている、との主張です。実際、表示は2分ですから、試合を再開して何ができるかと言えば、相手に攻撃するような時間は残っていません。”形式として”「再開」し「ゴングを聞く」だけです。それなのに再開に対する猛抗議。最終的にインドネシアは選手を引き上げ、不戦敗扱いとなりました。バカだよ、本当。
コーチだけではなくチームマネージャーまで出張ってくる有様。ベトナムがこの手の抗議をやるのは恒例行事ですが、「源流の地」を自認するインドネシアがやるべきことじゃないでしょう。シラットの”礼節"の手本を示すべき国がそんなんでどうするのーーーっもう。
2つ目は女子のマレーシア対ベトナム。詳細はよくわかりませんが、事務局の不手際なのかベトナム選手の体重が規定に合致していなかったようです。ベトナムは事務局が提示していた旧規則(現行規則より一代前のもの)の体重に合わせていましたが、実際に運用される現行規則に照らせば「体重不適格」で失格となってしまいます。マレーシアは「体重不適格」を主張し、ベトナムは「事務局の不手際」を主張していたようです。結局、ベトナムが選手を引き上げ、マレーシアの不戦勝。しかもこれが本日の、大会の、最終試合。なんだかなぁ・・・
表彰式はなんか地味でした。国旗掲揚もなく国歌も流れなかったからかな。国境なんか関係ないぜ!!っていうアピールというわけではなく、ただ単にそういうことになっただけなんだとは思います。そんな地味ーな授与式を遠くから眺めつつ、海路郎さんに「大会終わったよ。明日戻るよ。」とSMSしたところ、驚愕の返信内容。「1時間前にお父さん亡くなった。僕は直ぐにチケットを探さないと。」
正直、あまりのことに呆然。確かに調子は悪かったけど、今日明日どうという話ではなかったのに・・・地味とはいえそれなりに賑やかな閉会式会場で呆然としているのもはばかられ、審判控え室に引っ込みました。でも、周りの目がなくなった途端、なんか泣けてきた・・・明日はバンコク経由で東京に戻るつもりだったけれど、バンコクからスラバヤに行く便を探さなければ。
ネットで探すと、スラバヤに最も早く着くのはガルーダ。チェンライからバンコクに到着するのがスワンナプーム空港で、ガルーダも同じ空港発着なので乗り継ぎもいい(はず)。しかし、フライトまで24時間を切っているのでオンラインで手配ができません。明日、バンコクに着いてから手配しないといけないようです。このときは、到着時間が24時近い上に出発空港がドンムアイのエアアジアは、選択肢から外していました。ガルーダだったら21時くらいに着ける=家に同日に着ける、と踏んでいたんです。
まさかバンコクから最終目的地スラバヤへの便に空席が一つもない、ということはないだろう、とは思うものの、「国際線」を当日に手配するなんて初めてです。ちょっと焦りながらバンコクに向かいます。バンコク行きの便はシラット関係者で相当数の座席が占められてました。おかげで寂しさが和らいだ気がします。バンコクに着いてからマランへの話はまた別立てで・・・