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- 第2回プンチャック・シラット アジア選手権 + ぶらぶらシンガポール -
2016年6月3日から5日までシンガポールで開催された第2回プンチャック・シラット アジア選手権に参加してきました。そして大会前には兄弟子主催のシラット合宿があったので、1週間のシンガポール滞在となりました。合宿内容は部外秘…いや、そんな大層なものではありませんが、特に書くほどのこともないので時系列関係なく面白ネタを拾いつつ、大会記録をば。
第2回プンチャック・シラット アジア選手権概要
(1)大会について
(2)大会参加国
(3)大会日程
(4)競技種目
(5)競技結果
大会こぼれ話・裏話
5月28日(土):久しぶりのシンガポール
5月29日(日):リトル・インドネシア
5月30日(月):ドナ・ドナ
5月31日(火):とくになにもなく
6月1日(水):オサレエリア
6月2日(木):スマホ万歳
6月3日(金):今日から初日
6月4日(土):日本選手登場
6月5日(日):最終日
6月6日(月):羽田着
第2回プンチャック・シラット アジア選手権(3~5th Jun. 2016)概要
アジア連盟発足を記念して2011年に開催された第1回アジア選手権から、5年を経ての第2回大会である。アジア連盟のHQ及び人材はシンガポールが提供しているので、大会会場は第1回と同様、シンガポール。第1回に参加していない日本は、初めてのアジア選手権となった。
そして、アジア選手権にもかかわらず、なぜかアゼルバイジャン(ヨーロッパに分類される)が参加していた。参加国数も”アジア選手権”の看板を掲げる割には実質、9か国のみ。インドネシアは急きょ派遣されたリアウ州の某流派グループ、タイはナショナルチーム2軍、という、数だけでなく選手のレベルもこじんまりとしたものだった。
東アジア諸国(2) : 韓国(4)、日本(1)
東南アジア諸国(4) :
インドネシア(4)、シンガポール(17+J,TGR:M&F)、タイ(9,TG:M、TR:F)、ベトナム(17,TGR:M&F)、[カンボジア]
南アジア諸国(2) :インド(9+J)、[バングラデシュ]
中央アジア諸国(1) : ウズベキスタン(J)
西アジア諸国(1) : [イラン]
その他(1) : アゼルバイジャン(J)
*国名の後の()内には 数字=試合部門選手数、T=ソロ演武Tunggal、G=ダブルス演武Ganda、R=チーム演武Regu、M=男子、F=女子 J及び下線はジュニア選手派遣を指す。
**招待状はアジア各国の協会、44の組織に送付されている。上記参加国のうち[斜字]の3ヶ国は協会関係者のみの参加であり、選手の派遣はなかった。
44か国に開催案内を送付したが、成人部門参加国7、ジュニア部門参加国4のこじんまりとした大会となった。そのため、当初発表されていたスケジュールより余裕のある進行となり、夜の部がなくなった。
宿泊先は2箇所に分散していたようだ。朝食はホテル、昼食・夕食は会場でお弁当が提供された。移動は事務局が用意した朝晩1回のバス。
日付 | イベント |
3(金) | 選手団到着、テクニカルミーティング・組合せ抽選、開会式、特別第1試合4ゲーム + アジア連盟会合 |
4(土) | 演武部門、試合部門準々決勝&準決勝 |
5(日) | 試合部門決勝、閉会式 |
プンチャック・シラットの試合には大きく分けて、体重別の階級で打ち合う試合部門と規定の型を競う演武部門とがある。今大会では以下のクラス/型でそれぞれの技が競われた。黄色は日本選手が参加したクラス。
1.男子試合部門(Tanding) Aクラス - 45kg以上50kg未満 Bクラス - 50kg以上55kg未満 Cクラス - 55kg以上60kg未満 Dクラス - 60kg以上65kg未満 Eクラス - 65kg以上70kg未満 Fクラス - 70kg以上75kg未満 Gクラス - 75kg以上80kg未満 Hクラス - 80kg以上85kg未満 Iクラス - 85kg以上90kg未満 Jクラス - 90kg以上95kg未満 Open - 85kg以上 |
2.女子試合部門(Tanding) Aクラス - 45kg以上50kg未満 Bクラス - 50kg以上55kg未満 Cクラス - 55kg以上60kg未満 Dクラス - 60kg以上65kg未満 Eクラス - 65kg以上70kg未満 Open - 65kg以上 |
3.男子演武部門(Seni) Tunggal (ソロ) Ganda (ダブルス) Regu (3人チーム) |
4.女子演武部門(Seni) Tunggal (ソロ) Ganda (ダブルス) Regu (3人チーム) |
MVPは男女ともにシンガポールが獲得した。金メダル獲得レースは1位ベトナム、2位シンガポール、3位タイとなった。これはチームの強さも当然ながら、派遣選手の数が確実に反映された結果だと思う。なぜか最優秀審判賞も用意されていて、これはタイの審判に贈られた。
種目の後の()はエントリー人数。4人以下のエントリーあるいは組合せ抽選の結果で即準決勝を引き当てた場合、3位決定戦を行わないシラットでは勝敗に関わらずメダル獲得となる。表のうち*がついているのは勝利なしのメダル
部門 | 種目 | 結果 |
男子試合 | Aクラス(5) | 1.ベトナム 2.シンガポール 3.タイ、インド* |
Bクラス(5) | 1.タイ 2.インドネシア 3.シンガポール、ベトナム* | |
Cクラス(6) | 1.ベトナム 2.タイ 3.インドネシア、シンガポール | |
Dクラス(6) | 1.ベトナム 2.タイ 3.シンガポール*、韓国* | |
Eクラス(4) | 1.タイ 2.ベトナム 3.シンガポール*、韓国* | |
Fクラス(4) | 1.ベトナム 2.タイ 3.インド*、シンガポール* | |
Gクラス(4) | 1.シンガポール 2.ベトナム 3.インド*、韓国* | |
Hクラス(3) | 1.ベトナム 2.シンガポール 3.韓国* | |
Iクラス(3) | 1.シンガポール 2.ベトナム* 3.インド* | |
Jクラス(3) | 1.シンガポール 2.インド* 3.ベトナム* | |
Open(3) | 1.シンガポール 2.インド* 3.ベトナム* | |
女子試合 | Aクラス(4) | 1.ベトナム 2.タイ 3.シンガポール*、インドネシア* |
Bクラス(3) | 1.ベトナム 2.シンガポール 3.タイ* | |
Cクラス(3) | 1.ベトナム 2.シンガポール 3.タイ* | |
Dクラス(2) | 1.ベトナム 2.シンガポール* | |
Eクラス(2) | 1.ベトナム 2.シンガポール* | |
Open(2) | 1.ベトナム 2.シンガポール* | |
男子演武 | Tunggal | 1. シンガポール 2. タイ 3.ベトナム |
Ganda | 1. シンガポール 2.ベトナム 3. タイ | |
Regu | 1. シンガポール 2. ベトナム | |
女子演武 | Tunggal | 1. ベトナム 2. シンガポール 3. タイ |
Ganda | 1. ベトナム 2. シンガポール | |
Regu | 1. ベトナム 2. シンガポール 3. タイ |
大会こぼれ話・裏話
久しぶりにシンガポールに滞在します。トランジットで立寄ることは多くても、外に出て宿泊するのは2010年以来、実に6年ぶり。
行きのJALはまさかの席電源なし…ムスリムミールもカレーではなかったけれど、不味かった。ちなみに普通食のメインは鶏か豚の二択だったようです。どちらかを魚に設定すればいいのになあ。到着して友人と合流し、一泊だけの本日のお宿へ。そして宿の前にはドリアンスタンド!もう、今日の夕飯はこれで決まりです。
それにしても、日本は本当に電波後進国だな、と思います。後進国というほどではないにしても、世界でのイメージと「使い易さ」のギャップがひどすぎる。シンガポールでは空港についたらSMSが受け取れればすぐにwifiに繋がる。無駄な登録作業必要なし。プリペイドのカードもコンビニですぐに買える。カードの種類(ノーマル、マイクロ、ナノ)も3in1だからどれだっけ、ということも、買ってから失敗、ということもない。
スマホが電波に繋がっているだけで、いろいろとスムーズに過ごせるということを役人は実感しないのだろうか。そして、電波に繋げるためのハードルは低い方がいい。日本、めんどくさいよ。
両替のために訪れたcity
plazaはリトル・インドネシアでした。台湾・香港と並び、多くのインドネシア人メイドさんが働くシンガポール。彼女たちの唯一の休日、日曜日は集まってワイワイ&送金&買い物をする日だったようです。こういう光景、テレビのドキュメンタリーで見たなあ。あの時題材にされていたのは香港のフィリピン人メイド…いや、シンガポールだったか…?
マレー語なシンガポールでジャワ語なインドネシア語が聞こえるというのは、なかなか面白かったです。石川啄木の上野駅ってこんな感じだったのかなあ、と思ってみたり。
日本の家事手伝い特区は住み込みを前提としていないので、少し事情は違うかもしれません。でも、人が増えれば20年前の上野公園のように、日本のどこかにもこんなリトル・インドネシアが発生するんでしょうね。特区として場所を限定すれば尚更に集まりやすいでしょうし。彼女たちをターゲットにした週末ビジネスと思われるものが、city plazaにはワサワサとありました。海外送金、携帯(残した家族との通信)、買物(母国よりも質のいいものが簡単に手に入る)、海外宅配、息抜き(美容室満室)…どれも日本ではメイドさん相手にビックマーケットを狙える感じじゃないけれどもね。特に携帯。
昨日から海岸沿いのコテージを借りて、20人近くで合宿中。そんな合宿の息抜きに、深夜11時からの観光です。もう寝るのかと思ったら、「今から出かけるぞー」って。24時間営業のレストランも多いし、シンガポールは宵っ張り。
人数が多いので車に分散と言うわけにもいかず、移動手段はトラック。在星の友人には「違法じゃ…」と笑われましたが、夜中のシンガポールをトラックの荷台で移動するなんて、めったにできる経験ではありません。向かった先はマリーナ・サンズ・ベイエリア。時間的に当然、中には入れませんがライトアップがきれいでした。でももう眠くて、あまり記憶ない。
特にネタのない1日だった・・と思う、うん。一行で終わるのもあれなので、海辺の写真でも載せるか。
トランジットの合間に電話するだけの友人と久しぶりに会えた日。お互いがアクセスしやすい、かつ分かりやすい場所としてスルタン・モスクで待ち合わせです。モスク周辺がものすごいオシャレエリアに変貌していて、びっくり。カフェ、レストランはもちろん、お洒落なランプや絨毯、香水も売っていました。
以前は商売っ気のない、若干ほこりをかぶったような薄暗い垢抜けない衣料品・雑貨店が軒を連ねていたような記憶があるのですが…モスク自体も最近お色直しをしたそうで、エレベータを設置したり、中の照明が明るくなったり、絨毯も交換して居心地が良くなってました。
合宿所から今日、チェックアウト。まだチェックインできる時間ではないので、荷物だけホテルに預けて、兄弟子宅にお邪魔します。ご飯や買い物で時間を潰した後、ホテルに向かいました。ホテルはMRTの駅から歩くと大分距離のある場所にあるため、バスの方が便利そうです。
こういう時、スマホは便利。スマホが便利というよりは、ネットが便利なのか。googleマップでホテル近くのバス停を表示すると、そこを通るバスの番号が表示される。そして、乗りたい番号のバスが通るMRT駅を探す。バスの到着頻度も調べられる。GPSをオンにすれば、降りたいバス停まであとどれくらいの距離なのかもわかる。迷うことなく、一人でバスを使えるって東京を訪れる非日本語話者には無理だと思う。東京はバスの事業者が多いということを差っ引いても、スマホ(電波)さえあれば動けるシンガポール、観光客には楽チンすかり。
夜には在星の同期と久しぶりの再会。 楽しかった〜
やっと渡航の主目的、第2回アジア選手権が始まります。13時にホテルからシンガポールシラット連盟本部への送迎バスが出ます。組合せ抽選等が行われる予定とのこと。この連盟本部の隣にはスポーツホールがあり、大会会場はこちらになっています。この会場は2004年に初めて世界大会に参加した思い出の場所でもあります。あれから干支が一回り、未だにシラットに関わってるとは当時、思いもしなかった…
到着してみれば、組合せ抽選も、同時に別室で開催されるアジア連盟会合も開始時間は15時半。まだ14時なんですけど…これ、送迎バスの時間は14時でよかったのでは。会場周辺には特に何もないし、暇。会場の下見くらいしかやることがありませんです。
やっと始まった組合せ抽選とアジア連盟会合。アジア連盟会合の主議題は「シラットをオリンピック種目に!」でした。2018年のアジア大会での正式採用を踏まえ、次のステップに行こう、ということなのでしょう。そのためには今以上にシラットがアジア各国で普及しないといけません。が、なかなか難しいですね…
それにしても全44か国におよぶアジア各国の協会のうち、会合に参加したのは11ヶ国のみ。しかもうち2か国(インドネシア・タイ)は、協会関係者ではなくチームマネージャーが代理出席のため、なにも決定権がない。これで定款や各委員会の発足・任命を「決定」してしまうのだから、会長はなかなかの剛腕です。定款には「終身会長」を規定してるし。特に異論はないけれど(どうせ他にやる人もいない)、せめて形だけでも選挙制にしておけばいいのになあ、と思います。IFの会長職は限定された4ヶ国のみに選出権・選挙権が設定され、アジア連盟の会長職は終身ポジションって、そんな競技団体がオリンピックを目指せるんだろうか・・・
会合が終わったのは17時過ぎ。一足早く組合せ抽選を終えていたチームメンバーと合流します。今大会、日本チームはチームマネージャ1名、アシスタントチームマネージャ1名、コーチ1名、選手1名、審判1名という布陣です。が、日本国籍は選手と審判のみ。当初予定では選手2名と審判1名だったのですが、選手1名が急遽不参加となったため、合宿に参加していた友人にサポートをお願いした次第です。選手が2名いればなんとか、交代でいろいろとできるのですが、さすがに一人では何もできませんから。選手以外のチームメンバーがいる、というのはいいですね。まず、賑やかです。
でも、19時半開始の開会式に参加する日本チーム、チームウェア以外に日本要素なし。唯一の日本国籍の到着が明日の予定なため、開会式に参加するメンバーは日本人に見える人が一人もいなかった…そしてスタッフにも「おい、日本人はどこだ」って突っ込まれてたらしいw
開会式では「シラットをオリンピックに」プロジェクトが発表されました。シンガポールにおけるプロジェクトなのか、アジア連盟の掲げるプロジェクトなのかよくわかりません。そういえば、定款をまだきちんと読んでいないのですが、アジア連盟の目的ってなんなのかな。競技シラット”のみ”を普及発展維持の対象にしてるんだろうか…?そしてこの派手な除幕式で吹き上げられた紙ふぶきが、のちの試合運行に影響を与えたのでした。
なんとかマットレスの紙ふぶきを取り除き、試合が始まります。開会式後に各面2試合、計4試合が行われました。これはVIP観戦ゲームということで、ホスト国シンガポールの勝ちが見込める、でもワンサイドにならない組合せが選ばれています。いつも、こういう試合の相手役を務める選手が気の毒です。それとも逆に燃えるのかな?ちなみに行われた試合は、ジュニア部門2試合と成人女子のタイvsシンガポール、成人男子のベトナムvsシンガポールでした。
審判はベトナム2、タイ2、インドネシア1、日本1以外は全員が(当然ながら)シンガポール出身。通常であれば当該試合の選手と同国出身の審判は使わないのですが、シンガポール審判を使わずには試合が成り立ちません。公平を期すために、タイvsシンガポールの試合の場合、採点審判がタイ2+シンガポール2+ベトナム1&インドネシアレフェリーとなっていました。次のベトナムvsシンガポールも似たような形で、採点審判がベトナム2+シンガポール2+インドネシア1&タイレフェリーという人選。
公平を期してるはず、だったんですがね…ベトナムvsシンガポールのこの試合、シンガポール選手として出場していたのはインドネシア国籍のシンガポールチームコーチだと知りました。どうもこのクラスのエントリーがベトナム選手以外に居なかったため、不成立を防ぐために急遽借り出されたのだとか。そんなんでいいのか…しかし、そうすると採点審判が全く公平な構成ではなくなります。インドネシアじゃなくてタイを入れるべきだったんじゃないかな(cizmaはVIP観戦エリアにいたので審判できません)。試合は割と接戦でシンガポール(インドネシア)が制しました。
翌日のスケジュールは明日、配布されるとのこと。何度か確認した結果、午前は演武部門、午後に試合部門との回答を得ました。これで、明日の早朝に到着する日本選手が、午前中のうちはホテルでゆっくりしてても問題なさそうです。
昨日、口頭で確認したスケジュール=午前は演武部門のみ、に基づき、朝の送迎バスには審判業務のあるcizmaと配布されるスケジュールを受け取りにチームマネージャーのみが乗り込みます。早朝に到着した日本選手と、彼を迎えに行った2名はホテルでゆっくり休んだのち、午後に会場へ向かう予定です。
ところが会場に到着して配布されたスケジュールを見てびっくり。午前は演武部門のみという話だったのに、昼休憩の前に試合部門が3つ予定されています。しかもそこに日本選手の名前が!これはまずい。大会全体の参加者数が少ない、つまり演武部門の参加者も少ない。ホテルでのんびりしている場合じゃありません。がしかし、早朝の到着&送迎で疲れているのでしょう、電話に出ない。チームマネージャーがホテルに戻り、起こして連れて戻ってくることになりました。
演武部門の採点には全種目で参加しました。参加者数が少ないこともあり、結果は概要に書いた通りですが…小さい大会では身びいきが目立ちます。採点がデジタル化され、衆人環視のもとに晒されるようになってから、大きな大会(世界大会やSEAゲームズなど)では聞かなくなったものですが…デジタル採点にも関わらずの謎結果。恥部を晒すような話ではありますが、オリンピック種目を目指すと豪語するのであれば、それこそ外からの圧力でもなんでも受けて”きちんと”しないとだめでしょう。
謎結果の最たるものは技術点のマイナスが多いにもかかわらず、芸術点が高い採点が見られたこと。技術点で採点されるのは「規定型の正確さ=覚えているか」。芸術点と訳してはいますが、ここで採点されるのは芸術性ではなく、規定型演武の「成熟度」「リズム」「芸術性」「体力」です。つまり、どんなに”芸術性”のある演武をしても、あるいは”体力”を見せつける演武をしても、技術点が低かった場合は連動して「成熟度」が低いと見做す、というのが、cizmaが受けた審判講習での採点基準です。
技術点は100点からの減点方式、芸術点は50〜60点の幅で採点します。この芸術点は55を標準とするのが一般的です。例えば100点満点の技術点が97点だった選手の場合、標準以上ですから芸術点は55点以上、57,8,9点当たりとなるのが妥当です。また、技術点が93点であれば、全体のレベルにもよりますが55点前後の芸術点でしょう。審判個人における整合性も必要です。先に演武した選手Aに技術点97・芸術点57をつけたのであれば、技術点93の選手Bに選手Aと同じ芸術点57をつけるのはおかしいのです。ましてや、選手A技術点97芸術点54、選手B技術点92芸術点58などいった逆転現象は、審判講習で指導された「やってはいけない」採点の最たるもの。といったことを特定の国の審判「のみ」がやっていたわけではないところが、なんだかなあ。
cizmaが知らないだけで、こういったことは大なり小なり、どんな分野・競技でも起こってるんですかね…
なんだかなあ、な気分のまま演武部門が終わり、試合部門が始まりました。日本選手も無事到着し、人生初試合です。採点に入りましたが、まあ、シンガポール相手に初参加の選手が簡単に点は取らせてもらえませんね…誰もがどこかで「初参加」することで悔しい(でも楽しい)思いをして、次に進むのです。この試合が次への大きな一歩となりますように。
午後はずーっと試合で、レフェリーもやりました。審判の人数が少ない&国際審判が1面に3人しかいないという状況のため、休みがあまりない。基本的に2名は国際審判を入れる、場合によっては3人全員を投入していたためです。午後の11試合のうち、休憩できたのは3試合だけ。そして今回、初めてデジタル採点中に電源が落ちる状況に遭遇しました。停電ではなく、恐らく誰かがコンセントを踏んで抜けてしまったのでしょう。大分時間をかけての復旧、試合再開となりました。こういう「待ち時間」は選手が気の毒です。
大会要綱発表時に想定していた参加者数を大幅に下回っているため、大会スケジュールも開始前に配布されたものとは大分異なります。予定では22時まで試合をしているはずでしたが、17時半には全ての試合が終了してしまいました。夜の部がないのはありがたいことです。
この自由時間を使ってチームは観光に、cizmaは兄弟子との夕食にでかけました。しかもドリアン好きを知っている兄弟子から、ドリアンの差し入れまで。でも実は、兄弟子と会う前に、ホテルのちょっと先でみつけた果物屋さんでドリアンおひとり様してたんですよね。一日で2回のドリアン。至福。
最終日なので、どの大会もそうであるように全試合が決勝。スケジュールとしては10時から演武部門の表彰式、それから試合部門決勝開始、です。それにも関わらず、相変わらずの送迎バス出発時間は8時。開始まで時間があるのはわかっていたことなので、会場到着後、チーム全員で兄弟子と朝ごはんを食べに出かけました。cizmaだけ10時には会場に戻り、チームは17時開始予定の閉会式まで自由時間です。