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ザ・レイド GOKUDO

試写会にご招待いただき、「ザ・レイド GOKUDO」を鑑賞しました。一足お先に鑑賞のような(公開日は11月22日)、周回遅れのような(北米版BDは発売済)。

ざっくり言えば、前作とは全く趣が違う映画でした。閉所でただただ相手を殴り倒して上に進む、話の筋なんかいらねえ!というのが前作。それが今回は手を変え品を変え、いろんなシーンでのアクションを見せてくれる上、組同士の縄張り争いや親子の葛藤などドラマも組み込まれています。唯一、共通事項があるとすればお腹いっぱいになるほどの血しぶきでしょうか…見てて痛いって…しかも、今回はバリエーションをつけるためなのか、定番の銃とナイフの他に棒やら鈍器やらカランビットやら鉄板やら、いろいろな武器を使ってのやりとりが出てきました。鈍器の潰す系描写はナイフの刺す・切るとはまた違った痛みを視覚に訴えてきます。痛い。マジ。そして武器が多用された分、前作ほどは素手での1対1シーンがなくなっていたように思います。そのおかげで「シラット最強!!」という売り込みはしづらそうです。カリオグラファーが二人とも(イコ・ウァイスとヤヤン・ルヒアン)シラットベースなので、動きはシラットらしいとはいえるのですけれども。でも!断じて!!シラットの真髄は「最強殺人格闘術」ではありませんから!!!

シラットの基本哲学は「稲穂の教え:実るほど首を垂れる稲穂かな」です。敵を求めず敵を作らず。
ま、そんなこと言ってたらアクション映画なんか作れませんからいいんですけどね…本作に出演しているシラット使いたちは、実際にはこの基本哲学を実践している尊敬すべき方々ですし。

閑話休題。

基本的には前作未見でもわかる内容です。でも見ておいた方がわかりやすいとは思います。なんせ、「これ誰?」と思う間もなく冒頭で前作の登場人物が立て続けに2名も抹殺されてしまいますから。彼らが誰だかわからなくても、その後の筋を追うのにそう大きなハンデにはなりませんが、わかった方が楽といえば楽。痛いのが大丈夫な人は前作をレンタルしてください。痛いのがダメな人は、前作も今作も一人で見るのは止めましょう。

さて、この映画を見たい!と思ってもらえるようなレビューを書ければいいのですが、とても成功する気がしません。なので、どうでもいいような細かいところにわりと順不同でツッコミを入れていこうと思います。

・主人公の兄貴が死亡した後、箪笥の上に遺影が飾られ、お線香が上げられています。室内には壺の装飾も多いし、中華系設定…?と思ったのですが、前作では主人公がイスラム式礼拝をしていたのを思い出しました。この一族は大分複雑なアバンガン(もはや死語?)なようです。
・最初の登場からオカ・アンタラが誰かに似ている、と思って見てましたが、帰宅してググった結果、オダギリジョーでした。
・ラマのマイ携帯がお中華DUALSIMタイプで、雇用主のドラ息子はよく見えなかったけど多分BBかGalaxy。使い分けの芸が細かいな、と思った次第。
・事前に出回っていた予告編にはあった、モールでのアクションがカットされていたようです。残念。
・遠藤憲一さん、さすがです。かっこいいです。
・地下鉄で襲撃される後藤組配下の下っ端さんたち、持ってる武器がドス…なんだけど、どこからどう見てもタケミツ。それも残念な出来のタケミツ。どうせならベルトがサムライだったら面白かったのに!(<インドネシアクラスタ向け小ネタ)
・ヤヤンさん演じる…誰だっけ。ま、いいや。彼の最後のシーンで雪が積もってるのは心象シーンなのかな。元奥さんが随分ときれいな人で彼の人生に一体何があったのか、気になって仕方がない。
・アサシンvs主人公のシーンは割と唐突な気がする。「やるなコイツ。楽しいぞ!!」という雰囲気は冒頭で出しているのですが、マッド・ドッグのようにかっこいいセリフを吐かないのでちょっとわかりづらいかも。
・彼らの人生に一体何があったのか、気になるキャラが多い。そういう意味では、アサシンはキャラ設定が薄い印象を受けたのが残念。
・前作の感想でも同じことを書いたような気がするけれど、やはり原語がわかるだけに字幕が若干気に入らない。前作では緊迫した状況にも関わらず「please」をつけているシーンで、字幕にそのニュアンスがなかった。今作では相手との距離感やシーンによって使い分ける「you」が全部「お前」になってた。ビジネストークのシーンで「anda」と言っているのを「お前」はないわ。英語字幕が全部「you」なんだろうなあ。
・副題に強調されているほど「極道」ではなかった。いや、そうでもないか?組同士の抗争という意味では極道だけれど、日本人俳優が思っていたほどには活躍していない。基本的に座って話しているだけ。日本人俳優の殺陣シーンとか見たかった。

監督の構想としては第3部があり舞台は日本、と小耳にはさんでいます。でも、あのラストからどう発展させるのか読めません。本作の興行収入次第で続編の制作が決定するのでしょうから、次作の舞台と噂される日本で是非、成功して欲しいところ。血が吹き飛ぶイタタな映画ではありますが、前作よりは話に筋があるのでマニア層以外にも訴求できることを期待します。

公開前のプロモーションには誰が来日するのかな~