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そんなに悔しいのか…

録画して放置してた「未来世紀ジパング」のインドネシア編を視聴した。副題が”インドネシアをめぐり「日本」VS「中国」 ニッポン逆襲なるか!?”というくらいだから、まあ期待はしてなかったけど、想像以上にインドネシアを肴にした、ただの嫌中・日本自賛番組だった。一緒に見ていた海路郎さんは「日本は中国に負けて悔しいんだねえ」とまとめたのが全て。

字幕が出る上に吹き替え、という現地の声が聴きづらい演出に加え、日本語の選び方が「インドネシア国民は親日嫌中」ありきといってもいいかもしれない。中国の密漁船に関して現地漁師の日本語は「大型船で”来やがる”」というもの。「来る」ではなく「来やがった」とされれば、そこには嫌悪の情を読み取れる。でも実際にインドネシア語ではどう言ってるのだろう、と思います。BGMも当然その線で煽り気味。とにかく、言葉の選び方に始まって演出が一事が万事、こんな感じでうんざり。

「地元の役場で高速鉄道の工事計画書を見せてもらうと、町にない地名の写真や中国語で書かれたページなど不可解な部分も明らかに。さらに終着駅の建設予定地へ行ってみると、何と田んぼのド真ん中。(番組サイトより)」
書類の一部不備は確かに指摘されているところ。でもあれだけのページ数、一部翻訳忘れがあったとか、町(村だろ)にない地名の写真が入ってるとか、凡ミスを鬼の首でも取ったかのように取り上げるほどのものかと。終着駅が田んぼのど真ん中で何か問題があるのか、とも思う。詳しく調べてないけれど、中国案のルートは日本案と変わらないのではなかったっけ?日本案だったとしても田んぼのど真ん中だったのでは?ごちゃついたBDGに新幹線用終着駅を新設する余裕があるとは思えない。大体、東海道新幹線だって「新大阪」で「新横浜」じゃないのさ。

「見せしめに中国船を含む大量の密漁船を爆破。(番組サイトより)」
”~を含む”ってあーた、中国船以外(ベトナム船など)に関しては一言も触れなかったじゃないか。日本経済界的に、今、魅惑の市場であるベトナムは悪役にできないと?

「2004年に起きたスマトラ沖地震の後、中国の無償援助でつくられた復興住宅だ。(番組サイトより)」
日本と組んだ”相互復興”はまあいいとして、この復興住宅に”華僑”だから優先的に入れた云々というのはどうなんだろう。実態や経緯はともかく、この番組の「華僑」という言葉の使い方がイラついた。てっきり本土から縁もゆかりもない中国人が入植したのかと思えば、ボイスオーバーでちゃんとは聞き取れないけれどインドネシア語を話してるじゃん。華僑と華人は違う、とちょっとした新書レベルでわかる話。番組全体として意図的に”華僑”という言葉を使ってるとしか思えない。中華系インドネシア人(華人)ではなく華僑と表現することで、この人たちが心と顔を中国本土に向けてる印象を与えている。Ahokを華僑と評するのか。

スタジオパートもなんだかな、でした。インドネシアは歴史的に日本と中国の間を行ったり来たり、と表現するのはいただけない。インドネシアが主体であり、その生存戦略の中で取った政策が日本あるいは中国から見れば自国(日中)に都合がいいかどうかであって、インドネシアがすり寄りをしているわけではない。実態としてはインドネシア「に」日中「が」自国の権益のためにすり寄っているのではないのか、と。
支持基盤が国内共産勢力だったため中国寄りのスカルノ政権>クーデターで(!)跡を継いだスハルト政権は日本寄り>そして今、ジョコウィは…という持って行き方。2019年の改選までのインフラ整備を目指すジョコウィは、同年開通の高速鉄道で中国に寄って行ってる。でも、3年後の開通が危ぶまれる高速鉄道に対し、日本には地下鉄という切り札が!みたいな。「高速鉄道の仇は地下鉄で取る」という発言も飛び出し、もうアホかと。あ、あと高速鉄道の費用負担を全部引き受けた中国に対し、ODAという”要返済”形式でインドネシアを支援してきた日本のやり方はインドネシアの成長(自立)を視野にいれた素晴らしい方式、というようなことも言ってたな…国の成長の要は「人」だと。2億を超える人口がいるインドネシアは成長のポテンシャルが高い、と。それを言うならば、研修生どうにかしなさいよ。家事労働で人を引っ張ってくるとかやめようよ。

見所は最後に映ったkokoro no tomoの日本ロケ、満開の桜@猪苗代だけでした。東北の桜、来年がんばってみようかな。