スポーツは政治力勝負

いや、タイトルのとおりなんですが、スポーツというか「総合競技大会」において”採用”される競技は政治力の勝負だな、と実感した次第。
東南アジア総合スポーツ競技大会(SEAゲームズ)にプンチャック・シラットが正式採用されたのは、発祥国であるインドネシアが「開催国」だった年。幸いにもその後も継続して採用されてはいるけれど、どうも2013年のミャンマー大会では正式種目として採用されるか、瀬戸際らしい。これは開催国であるミャンマーがあまりメダルを期待できない種目だからだと思う。
そして、東南アジアから一つ上のカテゴリーである「アジア」を冠するビーチゲームズにプンチャック・シラット(変則的なビーチ・プンチャック・シラットだったけど)が採用されたのは、これもまたインドネシアが「開催国」だった2008年の第1回のみ。その後の第2回大会@オマーン、第3回大会@中国では採用されていない。どちらの開催国においても競技者が居るのかすら怪しいw
このビーチゲームズでの採用を足がかかりに、「2009年第3回アジアインドアゲームズ(室内競技大会)」でもプンチャック・シラットが採用された。これは開催国ベトナムにおいて、プンチャック・シラットがメダル量産を計算できる種目だったからだと思う。ただ、第1回(2005年@タイ)と第2回(2007年@マカオ)の開催・種目検討時期にインドアゲームズの採用検討種目としてルールブックに載っていたかは不明。多分、載ってないと思う。載っていてもマカオでは不採用だったろうな。
2009年はプンチャック・シラットの採用が多かった年で、同年に開催された第1回アジアマーシャルアーツゲームズ(格闘競技大会)@タイでも採用されている。格闘競技に特化した大会だったから、種目数を増やすという意味もあっただろうし、開催国タイの選手によるメダルがそれなりに計算できたから、採用されたんじゃないかな。あ、開催時期としてはインドアゲームズよりマーシャルアーツゲームズの方が先だったのを思い出した。インドアでの採用が決まってたから、その「前哨戦」としての意味合いもあったんだろう。
その後、第2回アジアマーシャルアーツゲームズは開催されることなく、第4回アジアインドアゲームズと合体することになりましたとさ。開催は来年の2013年、大会タイトルは「第4回アジアインドア&マーシャルアーツゲームズ(室内&格闘競技大会)」、開催地は韓国。当然のごとく、プンチャック・シラットの採用はありません!!!
前回の「インドアゲームズ」が24競技、「マーシャルアーツゲームズ」が9競技。両方で採用されている種目もあるけれど、単純に足したら33競技・・・全部やるには多すぎるでしょ。結果、今大会で競われるのは9競技、競技数規模としてはマーシャルアーツゲームズ並み。内訳は

1: Billiard Sports (10)
2: Bowling (6)
3: Chess (4)-Baduk (4) and Electronic Sports (6)
4: Dance Sport (10)
5: Futsal (2)
6: Kabaddi (2)
7: Kickboxing (9) and Muay (9)
8: Kurash (8)
9: Short Course (25m) Swimming (30)
*()内は「種目数」

マーシャルアーツゲームズから引き続き採用されているのが7と8の2競技。以前と同じカウントの仕方をすれば3競技(マーシャルアーツゲームズ時はキックとムエは別競技カウント)。
つまり、不採用となったのは6競技。まず、オリンピック種目であるテコンドーと柔道。競技人口が多いのに採用されずに落胆してそうな空手。クラッシュと差別化できなかったっぽい柔術。知識不足でなんだかわからんけど、想像するにシラットと系統が似てるっぽいTaoluとSanshou。この2つはインドアでも採用されているから、インドアの前哨戦」としてマーシャルアーツで採用されたと思われ。
ん、もしかして開催地が韓国だから日本系(柔道・柔術・空手)は落とされた?で、痛みわけでテコンドーも外れたのかしら。折角、地元なのにテコンドーが採用されていないのはちょっと不可解。
これだとテコンドーベースの選手がキックやムエに出てきそうだ。でも、シラットを始めとする”東南アジア系”格闘競技にテコンドーベースではそうすぐには対応できない=メダルが期待できない>プンチャック・シラット不採用という流れと予想してみる。
採用されるかどうかは世界的なビックスポーツでもない限り、選手のがんばりとは無関係なところで決定されていくんだなぁ、と思ったのでした。

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