なまじょこうぃ

会いに行けるアイドルならぬ、会いに来てくれる大統領に会いに行ってきました。…日本語が破たんしてるなあ。要は来日中のインドネシア大統領が在住インドネシア人の要請を受けて時間を作り、自国民と会う機会を設けた、ということですね。彼にとってのmy fellow citizensではないけれど、こんな機会めったになさそうなので野次馬根性を発揮してきました。

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さすがに大統領を迎えるとなるといつもとはまったく違うセキュリティコードが引かれていました。防衛大のインドネシア留学生がセキュリティ要員として総動員されていたようです。あの人数から考えると、毎年3,4人は派遣されているのかな?

ジョコウィ大統領が登場したこの集まりの印象は、いうなればロックスターを迎えたコンサート会場。さすがに黄色い声が途絶えることなく上がるようなことはないものの、「新時代の象徴」を目の前に、かつそれが自分たち(全員じゃないけど)で選んだ結果だ、という興奮を感じました。そんな風に迎えられても、彼の纏う雰囲気はいわゆる威厳ある”カリスマ”ではなく、飄々とした”庶民”。これが対抗馬だった某氏とは決定的に違う点かと。

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上に立つ力強さを威厳と捉えるか威圧と捉えるか。時代によって大衆が求める大統領像も変わります。昔のやり方が通じないのが困る、あるいは単に昔日を懐かしむ向きもあるとはいえ、なんだかんだいっても今の方が風通しがよいように思います。

ジョコウィ大統領の言葉で印象に残ったのは「就任してすぐに表を裏に、裏を表になんてできない。そんなことできる人なんていない(ここで「それができるのはアッラーだけだ」とヤジが飛ぶ)。就任してまだ5ヶ月。成果、結果は3年5年で必ず出るから待ってくれ。出なかったらその時に好きに判断してくれればいいんだ。…って言ってるのにねえ、やいやい言うのが居てねえ…日本はいいね、そいういう声が聞こえてこないよ。…いや、まあ少しはいるの知ってるけどさ。(会場笑いに包まれる)」
大変さを垣間見ました。在外投票は大体の国でジョコウィ圧勝だったはずなので、日本で大衆に囲まれるのは逆に「ホーム感」があるのかもしれません。

最後の最後に20人ずつで記念写真を撮らせてくれたのにはびっくりしました。500人分のお弁当を用意して、全部はけてないから300としても相当な人数。写真好きな自国民をよく御存じですわー

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聴衆から無作為にその場で6組指名して壇上に上がらせ、要望を聞いた大統領。うちの1件が「インドネシアのモスク欲しいです。必要なんです。そこをトルコのように文化発信の基地にもしたいのです。」と訴えたものでした。
うん、欲しいのはわかるよ。トルコもアラブも自分の持ってるし、各地に建ってるのはパキスタン系が多いものね。でもさ、そこで自分たちが主力として運営できるインドネシアのモスクが欲しい、という要望にはどうしても全面賛成できないのよ。出身国ごとに蛸壺に引っ込んでも仕方ないじゃん。それに積極的に建設活動をしてる人たちの中にどれだけ「永住者」がいる?建てたら維持しないといけないんだけどな。学校の雨漏りすらごにょごにょ…
それにインドネシアとイスラムは切り離せないけれど、インドネシア=イスラムではないから、モスクから「インドネシア文化の発信」は無理でしょう。ビネカ・トゥンガル・イカ。「バライ」をクリスマスに、ニュピに、イードに使っている今の状況が私は好き。そして、イードの後の(昨今、改善傾向はあるものの)目を覆いたくなる惨状とクリスマスの後の整然とした状況を見比べるに、問題はモスクがあるかどうかじゃないよね、と思うのです。
大使曰く「土地はある(そらそうだ、学校の敷地内だもの)。許可も下りてる(そりゃそうだ、学校の以下略)。図面もできあがってる。お金もある…でも足りないんですよ」という説明に「善処しよう」と答えた大統領。うーん、メンタル革命を標榜するなら、モスク建設予算より「バライを大切にきれいに使おう」とバライの修繕予算が欲しい。雨漏り直して。あと、インドネシアの宣伝するから、シラット用のマットレスとその置き場をください(笑)

*インドネシアマスジドプロジェクトはこちらに詳しい。インドネシア語です。
http://www.masjid-indonesia.jp/

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