どうなるシラットinアジア大会

Disesalkan Asian Games 2018 Tanpa Pencak Silat
↑との記事を発見しました。簡単にいえば、インドネシアで開催される2018年のアジア大会に国が提案した開催地として特別に実施を希望する競技は自国文化に根差すシラットではなくブリッジであり、「プンチャック・シラット」単体では競技としてはおろか、公開競技としても存在しない、と。

2018年アジア大会はベトナムが開催地を返上し、インドネシアが名乗りをあげたことで、にわかにプンチャック・シラット界隈は色めきたったわけです。過去、開催地の種目が採用された例として、柔道(東京五輪で正式採用)、テコンドー(ソウル五輪で初公開競技)があるわけですし、野球は次の東京五輪で復活しますし。そりゃ、インドネシア開催でSEAゲームで採用されているシラットが不採用なんてあるわけない、と。耳に入ってくるのは、オリンピック競技である柔道やテコンドーのような「独り立ち」した競技として実施されるかのような話ばかり。でも、他の格闘競技からも「うちは2018年のアジア大会で実施される」と聞こえてきます。そんなに沢山の格闘競技をやるわけないわな…と疑問に思っていたのも事実。
聞くところではアジアオリンピック委員会(OCA)からの第一報では、オリンピック28競技(陸上、水泳、アーチェリー、バドミントン、バスケ、ボクシング、カヌー、自転車、馬術、フェンシング、サッカー、ゴルフ、体操、ハンドボール、ホッケー、柔道、近代五種、ボート、ラグビー、セーリング、射撃、卓球、テコンドー、テニス、トライアスロン、バレー、重量挙げ、レスリング)+6競技(セパタクロー、カバディ、スカッシュ、格闘競技、エクストリームスポーツ、(応相談))の全34競技の実施を承認する、というものだったようです。
記事には37競技が挙げられていて、オリンピック28競技以外の競技はスポーツクライミング、野球+ソフトボール、スカッシュ、カバディ、セパタクロー、クリケット、ボウリング、ブリッジ、格闘競技の9つ。28+9=37競技になります。
オリンピック競技外からOCAが当初、具体名を挙げて承認していた5競技に野球+ソフト、クリケット、ボウリング、ブリッジが加わっています。(スポーツクライミングはエクストリームスポーツの一種) 野球+ソフトは2020年の東京五輪採用競技です。クリケット…まあ、これは…競技人口多いですからね。大英帝国万歳。残る謎競技はボウリングとブリッジ。ボウリングは東京五輪採用一歩手前までいった競技ですから、まあ、いいでしょう。何故ブリッジ。ここにシラットを入れてくれれば…とは思うのですが、ここらで一つくらいマインドスポーツを入れて、今後の布石にしたいのでしょう。ブリッジの方が運営にお金がかからなそうだし。オリンピック競技外の「応相談」枠がブリッジかと。
では、シラットはどこにいくのか。曲者は「格闘競技」の枠。OCAが「格闘競技」として名指ししたのは空手、柔術、シラット、武術の4競技のようです。でも、「アジア大会で競われる」との話はこの4競技以外からも耳にします。さて、格闘競技の枠で一体何をどのように分配、実施するんでしょうか…
ちなみに第一報の時点で「エクストリームスポーツ」として挙げられていたのはパラ・グライディングとスポーツクライミングの”2”競技です。そこから採用されたのはスポーツクライミングだけ。てっきり、「エクストリームスポーツ」競技として2種目(実態は2競技)をするのかと思ってましたけど…これを参考とするならば、「格闘競技」として実施されるのは東京五輪正式採用がほぼ決定している空手のみ、となりかねません。あ、武術も東京五輪採用一歩手前までいってましたね。空手と武術の2競技?
いずれにせよ、シラットが全くなしの状態になったら、目も当てられないわ~日本じゃないから誰かが首をくくるということはないでしょうが、失意のあまりに気が抜けちゃう人、多そうです。そしてその次に、怒りの矛先を「国の名前を背負わず、事務的に進めた」と国、いや、政権に向けそう…
素直に開催地でナショナリズムな感情に訴えなければ採用されないレベルである、と思わないといけないんだと思いますが。実際、そうでなければ採用されないでしょうし、「格闘競技」の枠で実施されるのなら、それでもめっけもんです。ただ問題は、「次」がない競技・種目だと日本からの派遣が難しいってことだな。はてさて、どうなりますやら。

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